ずっと友達だった翔と付き合い出して3ヶ月。
私から告白した…。
でもね、翔は私に冷たい。
一緒にいるのに、翔はいつも自分の事ばかり…。
「翔?聞いてる?」
「えっ?何?今忙しいんだ、あとにしてくれる?」
そう言って翔は新聞に目を落とす。
もぅ!やっぱり。
「私、帰るね。忙しそうだし邪魔したくないから。」
そう言ってアキは玄関までゆっくり歩き出した。
翔は新聞に目を落としたまま「うん」と返事だけをする。
アキは玄関でブーツを履きながら何だか泣きそうなのを押さえた。
翔はやっぱり冷たい。
私の事、本当に好きなの?
ゆっくりと夕暮れの街を歩いていると、涙が出そうになる。
次の日ー
翔の部屋にはいつもの仲間が集まっていた。
潤、智、アキの友達のサオリ
潤「アキちゃん、今日も手料理美味しかったよ。翔さん幸せだね。こんな手料理食べられて。」
「あぁ、そう?」と翔は素っ気なく返事をする。
智「何?喧嘩でもした?」
「いや…」とビールを飲みながら翔は智に返事をした。
アキは翔を見て微笑みかけるように「ねぇ、これ翔が好きなんだよね?今日は味大丈夫?」と聞く。
翔は「えっ?味?特に不味くはないけど…」とやっぱり素っ気なく答える。
アキはちょっと寂しげに下を向いた。
智はそれに気付き「どうしたの?やっぱり喧嘩でもした?」とそっと聞いた。
アキは泣きそうになり、智を見つめた。
「どうした?」
「ねぇ、智くん!」
「何?」
「私とキスして!」
「へっ?」智は驚いて目を丸くした。
潤「どうした?アキちゃん?」
「アキ、何言ってるの?」
アキはチラッと翔を見る。翔は立ち上がり、買い出しに行って来ると言って出て行った。
「アキちゃん?翔くん怒って出て行っちゃったんじゃないの?」
と智は慌ててアキに言った。
「いいの!だって…翔はたぶん私の事好きじゃないよ…」そこまで言うと、ふっと糸が切れたかのようにアキの目からポロポロと涙が落ちた。
「アキ…どうしたの?」サオリは慌ててアキに駆け寄った。
「翔はいつも私に冷たいの。話し掛けても素っ気ないし…」
「アキちゃん誤解してるよ?」
潤はアキの顔をじっと見て言った。
「何?」とアキもまた潤を見る。
潤「翔さんさ、今までずーっと友達だったアキちゃんと恋人になって、どうしていいか…戸惑ってるって。」
「何それ?どうして戸惑うの?好きならちゃんと…」
智「翔くん、、恥ずかしいって言ってたな。改めて二人になると恥ずかしいってさ。どうしていいか戸惑うって。」
「アキ、早く追いかけな?」
「でも、、」
「素直になって、ね?」サオリはアキの肩をポンと叩き早く外に行くよう促した。
アキは渋々、コートを羽織って玄関へ向かった。
ブーツを履き終えるとドアを開け、外へ出る。
寒っ!
アキはマフラーを口まで隠れるように巻き、夕暮れの中を歩き出した。
続く