にのあい3
あー、どうしよう。なんだかんだで泊まる事になったけど。
二宮はドキドキしていた。
ふと気付くと櫻井が何やら鼻歌を歌いながらキッチンで片付けをしていた。
「翔ちゃん、楽しそうだね。」そう言いながら二宮はキッチンへとビールの空き缶を運んだ。
「ん?そう?楽しそうに見える?」
「鼻歌なんか歌っちゃってさ。」二宮は楽しそうにしている櫻井にちょっと嫉妬した。
俺はこんなにドキドキしてるのに、翔ちゃんはなんだか楽しそうだよな。
ドキドキしないのかな。
相葉さんの家に泊まるなんて初めてじゃないのか?
「翔ちゃんは、相葉さんの家に泊まるのは初めてだよね?」
何となく聞いてみた。
「えっ?初めてじゃないよー。前にも来たかな。たまに一緒に飲むんだけど、次の日遅い時は泊まっちゃってる。」
その言葉に二宮はますます嫉妬した。
「翔ちゃん、そんなに泊まってるの?」
「うん。ニノだって泊まったりするでしょ?」
「えっ?あぁ、まぁ、ね。たまには泊まるよ、そりゃね。」二宮は嘘をついた。
翔ちゃん泊まったりしてるんだ。。
そっか、いつも泊まってるんだ。
2人で寝たりしてるのかな。
なんだか頭の中が、ごちゃごちゃして櫻井を妬ましく思えてきた。
キッチンから戻ると相葉がリビングに布団を敷いていた。
「ニノ、ここでいい?」
「いいけど、翔ちゃんは?」
「あ、翔ちゃんはベッドの隣に布団敷いたの。」
「俺だけここ?」
「寝室、ちょっと狭いからさ」相葉は申し訳なさそうに二宮を見た。
「ふーん。いいけど。俺が寝室でもいいじゃん。」
「あっ、でも翔ちゃんの布団敷いちゃったし。」
「翔ちゃんの布団?」
「結構泊まるから布団買ったんだ。翔ちゃん用に。」
二宮はその言葉を聞いてかなりの衝撃を受けた。
マジで?翔ちゃん用の布団?!
「ちょっと、相葉さん、それってさ。翔ちゃんとできてるみたいじゃない?」
「えっ?ニノ知らなかったの?俺達そう言う仲だよ?」
櫻井と相葉が二宮の前で抱き合ってキスを始めた。
えっ?何?!
二宮は目の前が真っ白になり、その場から立ち去ろうとした。
リビングのドアがうまく開かない。
なんだよ、このドア!!
「ニノ、ニノ!」
「ニノっ!」
必死でドアをガチャガチャしていると後ろから呼び止められる声がして我に返った。
「あれ?」
「何?どうしたの?ニノ」
目を開けると相葉が二宮の顔を覗き込んでいた。
どうやら横になっていて、いつの間にか眠ってしまっていたようだった。
どこからどこまでが夢?
「ニノ、どうしたの?なんか泣いてない?」
「へっ?」二宮は自分の目やほっぺを触ってみた。
あれ?泣いてる?
ヤバっ!夢を見て泣いたんだ。
「あー、なんか怖い夢見てたかも(笑)」二宮は適当な事を言ってごまかした。
「本当に?大丈夫?」相葉が心配そうに二宮を見ていた。
二宮は起き上がると「帰ろうかな。」と言った。
「帰るの?泊まるってことになったじゃん?」と相葉が言った。
そうか、泊まるって決まった所までは現実か。
じゃあその後が夢?
続く