深夜とか明け方に、パンをオーブンに入れることが多い。そんな夜中だか早朝だかに、予熱をあげながら、わたしの楽しみは、本を読むこと。仕方ないなぁ、待ってなきゃ、と言い訳しながらページをめくる。日中だったら、じっくり座って読書する、なんて、暗黙のもと許されない。5人の子育てと英語教室と酵母たちと、そんな多忙さの中に、日々がある。
今日手にしたのは「ライオンのおやつ」。3番目のsunちゃんが図書館で予約しといてくれたのだろう。はからずも、わたしのパン教室名はcafeLIONで
最初はパラパラとページめくりながら、すぐに、今日は食パンを焼くからラッキー☆と内心思った。深夜であり早朝に、内心、じゃなく、堂々と思えばいいものの。いさぎ悪く、いちいち言い訳してページをめくる。食パンは焼成時間が少し長い。その間に、わたしはすっかり本のなかに広がる瀬戸内海に行ってしまった
気づくと、キッチンはパンのいい香りで満たされていて、食パンはすっかりやけていた
本のおしまいの1ページを丁寧に閉じ、オーブンからぱんを取り出すと、食パンはすっかりトップがしなっっと緩みはじめていた。それを見ると、不意に涙がこぼれた
わたしは、出会ってたった1時間程しかない雫さんの死に、こんなにも心揺れた自分に戸惑った
わたしは生きている。こうして深夜だって早朝だって、発酵に付き合って、1時間おきにだって目を覚まし、パンを焼いている。これからも焼いていく。ずっとパンを焼いていくんだろう

写真は
昨日焼いたcafeLIONのおやつ
ガトーショコラのチーズケイキ
娘の好きなケーキがどちらも入っている!!
ショコラはビターに、チーズはほとんどチーズ!?チーズそのものの美味しさを生かして、お砂糖も副材料もわずかに