初雪は月の破片、輝いて舞い踊る。唇に触れて消えていった、冷たい夜がくる。宵闇を淡く照らすのは、薄れゆく記憶の破片。燦然と輝くのは、幸福な記憶。降り注ぐ星の破片、音も無く溶けていった。輝きに手を伸ばしても、虚を切るだけ、届きはしない。幾つもの散らばった破片、集めても、もう戻らない。



なぜ少し悲しそうなの?長い睫毛を臥せているの?綺麗な瞳を曇らせてるものはなに?君の心を知っているよ。僕がきちんと受け止めるよ。遠くのほうで泣きじゃくってるのは誰?





私はレモンが好きだ。爽やかで酸っぱい、柑橘系特有のあの匂いが好きだ。同じ柑橘系でもオレンジではダメなんだ。私はレモンが好きなんだ。スーパーで買ったレモンを、そのままかじった。爽やかな果汁と、果肉が口の中で弾けた。




お皿にぽつん。残されたピーマン。一欠けらだけ、残されたピーマン。他の皆は食べてもらえたのに。棄てられる一欠けら。箸でひょいと摘まれて。あっ、きっと棄てられる。箸はビニール袋には向かず。ぱくりと口に含まれた。モグモグと咀嚼され、飲み込まれたピーマン。きっと君を元気にしてみせるよ。