こんにちは。某カフェチェーンで黒いエプロンの現役バリスタをしているユウです。

 

今回は、初めてカフェでコーヒーを注文する際に、

 

  • そもそも注文の仕方が分からない
  • 種類がいろいろあって難しすぎる
  • どうせ素人だろ的な店員の目が怖い

 

なーんてことになった時の解決方法をお教えします。

 

では、最初に結論です。

 

 

「エチオピア イルガチェフェ ナチュラルください」と言う

 

それだけ?

はい、それでおわり。

 

…いやいや、これではブログにならないので

きちんと説明をしていきますね!

 

 

目次

  • なぜコーヒーの名前がどんどん複雑に長くなってるのか?
  • 「エチオピア イルガチェフェ ナチュラル」が一番おすすめな理由
    • 理由1 味や香りの特徴がわかりやすい
    • 理由2 スイーツとの相性が抜群
    • 理由3 スペシャルティコーヒーを扱う店のほとんどにある
  • エチオピア イルガチェフェ ナチュラルとは?
  • それでも注文するのに緊張しまくったら?
  • まとめ

 

 

 

 

なぜコーヒーの名前がどんどん長く複雑になってるのか? 

 

あらためまして…

カフェ、本当に増えましたよね〜。

もう「石を投げればカフェに当たる」くらいですよ。(犬じゃなくて)

 

しかも「当店は厳選したスペシャルティコーヒーをご用意しています」なんて謳うお店がすごく増えました。

コーヒーに関する巷のレベル上昇スピードに、正直ついていけません。(てか、ついてけよ!)

 

私が働く店でも、通常のコーヒーとは異なる「世界から厳選した云々」の高価な豆を使って抽出しています。

コーヒーに興味を持っていただき、お客様のいろいろ話を伺ったり、こちらからもお話いただたりも増えました。うれしい限りです。

 

でも・・・。

おいしいコーヒーを飲んでみたい!

今日は特別に、前から気になっていたあのカフェに行ってみたい!

そう思って、いざ訪れてバリスタにコーヒーのリストを見せられると、途端に緊張MAXになってきて・・・

 

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国名まではわかる、その後はなに?

カタカナがずらっと並んで、訳わからない?

 

そうなんです。昔のカフェのコーヒーといえば「モカ」とか「ブルマン」とか短い名前だったし、種類もずっと少なかったですよね。

 

スペシャルティコーヒーの世界では、国や地域などどこで作ったか、コーヒーの品種、農家の名前など、情報をなるべく多く提供することを大切にしているのです。しかし、それらの詳細な情報を全て含めようとすると、長くて複雑な名前になってしまう。

 

知識のある人や専門家にとっては、名前をみただけでコーヒーの味や特徴が分かるし、信頼性も高まるからよいこと。でも初心者にとっては、かえって混乱のもとになってしまうこともある、というわけ。

 

そんなわけで、リストを眺めてしばし黙読する姿を見つめる、バリスタの穏やかな笑顔の裏に「どうせ味も何にもわからないんだろう?」と見下した気持ちをついつい疑ってしまうことになるんですよ!

(被害妄想ありすぎでしょ?!)

 

おすすめを聞くのも気恥ずかしいし、悩んでいるようにも見られたくない…

後ろから彼女が覗き込んで、どんな注文するのかしらってワクワク待っている気配がするし…

 

そんな時にお勧めしたいのが、エチオピア イルガチェフェ ナチュラル

これ1択です!

 

え、なに、エチオ…??カタカナばっかじゃん!

 

仕方ありません。コーヒーは輸入品ですから。

 

とにかく「エチオピア…(中略)…ナチュラル」だけ、覚えておいてください!

それくらいならなんとかなるはず!(多分)

 

でも、なぜ「エチオピア…(まだ覚えられないから略)」なの?

 

では、サクッと理由を説明していきましょう!

 

 

 

「エチオピア イルガチェフェ ナチュラル」が一番おすすめな理由 

 

理由1   味や香りの特徴がわかりやすい

 

 

最初に、よくあるパターンの説明です。

エチオピア イルガチェフェ ナチュラルは、その風味が非常に特徴的です。

特にベリー系や赤い果物のようなフルーティーな香りが際立っています」

 

…なんか、すごく専門家っぽくてイメージ湧かなくないですか?

「ベリーとか赤い果実って何よ?」って思いますよね。

いかにもシャレオツなバリスタが使うような表現出しちゃました。(慣れないわー)

 

赤い果実というのは、イチゴ・ラズベリー・クランベリーなどのこと。コーヒーの場合は、ドライフルーツになったモノがほぼ正解です。

 

駅のコンビニとかで、小さな食べきりサイズのドライフルーツとかナッツとか入った小袋売ってるじゃないですか。あの中に入った、シワシワ・ネチネチした赤いやつ、あれです。

 

生のフレッシュさや酸味というより、完熟したような凝縮した甘い香りが引き立つドライフルーツのイメージです。

 

世にいう「コーヒーの香り」って、焦がしたような香ばしさがイメージとしては一番強いですよね。

赤い果実のドライフルーツの甘い香りって、いわゆる「コーヒーの香り」の対局にあるんです。嗅いだだけで「ああっ!これがベリー系の香りってやつね!」と分かるくらいはっきりしています。

コーヒーをあまり飲んだことのない方でも、その違いは感じ取りやすいと思います。

 

人の嗅覚は、言葉で表現されると本当にその香りを感じるものです。

「エチオピア イルガチェフェ ナチュラル=ベリー系の香り」とだけ覚えておけば、ひと口コーヒーを含んで「本当にベリー系だっ!」と感じた時、香りを発見して言葉にできたことにこの上ないうれしさを感じるはずです。

 

鮮やかに記憶に残る「マイ・ファースト・コーヒー」になると思います。

 

 

理由2  スイーツとの相性が抜群

 

 

エチオピア イルガチェフェ ナチュラルは、特にベリー系のフルーツを使ったケーキやチョコレート系のケーキに合わせやすいです。

例えば、イチゴやブルーベリーのタルト。ブルーベリー&クリームチーズのマフィンとか。いちごのショートケーキだと少しコーヒーの方が強くなっちゃうかも。でも決してバツじゃないです。

 

そして、チョコレートとの相性も抜群!

実は、エチオピア イルガチェフェ ナチュラルには、ベリー系の香りの他に濃いココアの香りあるんです。

チョコレートのビターな甘さとベリー系の甘酸っぱさは元々相性が抜群に良い。その代表格がかの有名な「ザッハートルテ」です。ラズベリーのジャムをたっぷりサンドして、甘くて濃いチョコレートをたっぷりかけたウィーン伝統のケーキ。コーヒーと一緒に食べれば、間違いなくスペシャルに美味しいはずです!

 

ザッハートルテでなくても、チョコレートやいちご、ベリーなどを使ったスイーツはカフェメニューの定番中の定番。

「コーヒーだけでも結構高いのに…」そうなの、確かにそうなんだけど、ここは一つコーヒーとスイーツのステキな「ペアリング」を体験してほしいのです!

 

 

 

理由3 スペシャルティコーヒーを扱う店のほとんどにある

 

 

エチオピア イルガチェフェ ナチュラルは、多くのスペシャルティコーヒーを扱うカフェにあります。

大体メニューに載っているので、初めて訪れるカフェでも、迷わずに注文することができるので安心です。

 

でも、もしなかったらどうしよう…

 

簡単です。

エチオピア イルガチェフェ ナチュラルが好きなんですけど、似たような味や香りのものはありますか?」と聞いてみればいいのです。

大体のバリスタは、それだけで(お、こいつは少し分かっているな)と気づいて、代わりになるものをしっかり選んでくれる(はず)です。

 

 

 

エチオピア イルガチェフェ ナチュラルとは? 

 

 

エチオピア イルガチェフェ ナチュラルは、エチオピア南部のイルガチェフェ地方で生産されるコーヒーです。「アフリカの耳」と呼ばれる東部に位置しており、海には面しておらず、赤道の北側にあります。

 

アフリカというと、砂漠・暑い、というイメージがありますが、エチオピアは標高が高く、首都のアディスアベバはなんと標高約2400m。「草津良いとこ一度はおいで〜」で有名な草津白根山が標高2160mですから、いかに国全体が高地であるかイメージできると思います。

 

イルガチェフェというのは地区の名前です。14に分かれるエチオピアの州と自治州で、真ん中から少し南寄りにあるシダマ州の中の1地区にあたります。面積は約1877平方キロメートルで、大体日本の香川県くらいの大きさ。コーヒーの生産に最適な気候と土壌を持ち、質の高いコーヒーが栽培されています。

 

ナチュラルとは、コーヒーの実から「コーヒー豆」を取り出すまでの加工法の名前です。ものすごくざっくり言うと、コーヒーの実(周りに赤い薄皮があって、その下にトロッとした果肉があり、薄い皮に包まれた種子が2つ入っている)を木から摘んだらそのまま広げて天日干し、だいたい乾いたら種子以外の果肉や皮をごっそり取って、更に乾かしてハイ出来上がり、ってやつです。コーヒー豆は、最後に残る2個(たまに1個)の種子のことを指します。

 

トロッと甘い果肉ごと干しちゃうので、甘みや風味が種子に染み込んじゃうんですね。だからドライフルーツのようなベリー系の風味が生まれるわけです。

 

 

それでも注文するのに緊張しまくったら? 

 

 

鉄板のオーダー「エチオピア イルガチェフェ ナチュラル」を一語一句確実に覚えて、いざカフェに行ってみたけれど、注文しようとしたら頭真っ白になって、テンパっちゃったら・・・

 

さあどうしよう。

 

私ならこうします。

 

①「もう少し考えます〜」 

②「今日一番のおすすめは何ですか?」

③「ブレンドください」

 

    ①は、一息ついて落ち着くためです。カタカナと専門用語が羅列されたリストから一度目を離し、フッと息を吐いて気を落ち着かせた後、改めてリストを見て鉄板オーダーの有無を確認します。

     

    ②は、ともすると一番値段が高いメニューを勧められる場合があります。そして質問した手前、その場の雰囲気で注文してしまい、万一好みの味じゃなかった時はがっかり度がハンパなく高くなる可能性があります。

     

    ③は、一番無難です。おそらくその一言で、バリスタはあなたが何を注文したらいいのか分からず困っていることを静かに察してくれます。そしてスマートに、一番万人に飲みやすいコーヒーを選んでくれます。

    ただし、あこがれのカフェでカッコよくコーヒーを注文してゆったりと飲むという当初の目的は半減する可能性があります。

     

    なんかどれも、ピンと来ませんか?

    では、次の選択肢を・・・

     

    ④「この中で、バリスタさんが好きなコーヒーを2つ教えてくれますか?」

     

    私なら、こう言われたら一瞬ドキっと緊張した後、思い切りうれしくなって、めちゃくちゃ頑張っておすすめを考えます。

     

    おそらくタイプの異なるもの(濃い・浅い、コクがある・サッパリめ)、価格帯の違うもの(高めとちょっと安め)、のような感じで2つを選びます。そして、なぜ好きか、どんなところがおいしいかも、本人の言葉で(店としての説明ではなく主観で)喜んで説明するでしょう。

     

    1つのおすすめでは、こちら側に選ぶ楽しみがなくなってしまいます。

    2つ教えてもらえば、飲む側にも選ぶ楽しみが生まれるので、ステキなカフェ経験になります。

     

    もしバリスタが「エチオピア イルガチェフェ ナチュラル」を勧めてくれたら、それこそ「あ、ベリー系のやつですよね!」とか言って、会話が盛り上がっちゃったりするかもしれません。

     

     

    まとめ 

     

     

    エチオピア イルガチェフェ ナチュラルは、初めてカフェでコーヒーを注文する際に最適な選択肢です。その理由は、コーヒーの味や香りの特徴がわかりやすく、ベリー系のスイーツやチョコレートとの相性が抜群であり、多くのスペシャルティコーヒーを提供するカフェで取り扱われているためです。(以上要約)

     

    カフェじゃなくても、はじめての場所に行くときは、1つでいいから関係するモノ・コトを覚えていくと、そこでの体験は何百倍も楽しくて充実したもの、鮮やかに記憶に残るものになります。

     

    たとえエチオピア イルガチェフェ ナチュラルがなくても、その言葉をきっかけにバリスタと会話が広がったり、他の面白い情報が入ってきたり、次のカフェ体験を更に楽しくすることが起こる可能性がグングン広がりますよ!

     

    覚えておいてね「エチオピア イルガチェフェ ナチュラル」。

     

    私が、生まれて初めて感動したコーヒーです(^^♪