悲しみと喪失感に………
包まれながら………
春を待ち続けた人が、いる。
希望の扉を開く為に……
青春時代を勉強に費やし、
春を待ち望んでた人が、いる。
自分のわだかまりを抑えて…
これだけしか出来ないと、
春が来る事だけを待ってた
人が、いる。
歪めてしまった道のりを…
苦悩を幸せに変える為に、
春をたぐり寄せた人が、いる。
春は………希望なんだろう。
日本人の区切りの季節であり、
始まりの季節なんだろう。
例えば………冬を 我慢の時……
とするならば……
春は………新たな希望であり、
四季を通じて、草花や景色の
移り変わりを 人の気持ち に、
なぞる事で、忍耐強く
生き抜く事を………
心の中に浸透させている。
季節感………
四季がある日本は………
情緒豊かな国かなぁ……
…………と思う
私の祖父母が眠る……菩提寺へ
手を合わせに……行った
土筆……より、少し早めに
春を楽しむふきのとう
が、、、いくつも…………
大きくなり、咲いていた。
摘み採られる事なく………
祖父母の重ねた時間の中……
春を愛でる………
春を味わい喜ぶ………
肌や食する事で、、、
感じる………春が…あった
フキを摘み取る場所を訪れ
まだ、寒さに包まれながら、
花開く前のふきのとうを
見つけ……もうすぐ春
そんな想いを胸の中に抱き……
ひとつ、ひとつ……
この手で……もぎ採る
春の味覚を頂く為
見て、感じて、味わって
春を……四季を…より身近に
思った
ふきのとうの後に、土筆…
1本1本折り採り…
カゴいっぱいにする
ひとつずつの下ごしらえは→→
けっこうな手間はかかる。
炒め、煮て、土筆のつくだ煮に
する
イナゴの時期は…イナゴの佃煮
蜂の巣を採れば…蜂の子を食べ、
蜂蜜を舐め、蜂を佃煮
ヨモギの新芽が出れば…
餅やお粥と共に、頂く
タケノコの先が、土を突っいて、
ほんのわずかな土の山を造ると
タケノコを掘り返し、採り出す
そんな季節感を……
季節の恵みとして…
ごちそう
だと………認識して、頂く
菩提寺の昔のお坊さんは、
そんな時代の恵みを……
良く知る人だった。
先代……先先代………。
今、現在……菩提寺を継ぐ……
若い僧侶には、、、
四季を愛で……
季節の味覚を…有り難く
頂く
そんな感覚や感性は………
ないのだろう
境内の端はしに………
花開く…ふきのとうが…
無性に………
寂しく………
見えた
人が、どんな想いで…
冬の過ぎ行く時を待ち……
かじかむ寒さの中で………
小さな春を……見つける
そんな小さな喜びと幸せを
感じ……
春の味覚と一緒に、、、
もうすぐ…
春が、来る
そー……望んで願う
そんな気持ちを……
菩提寺の若い僧侶には、、、
分からないだろう……
境内の鐘が吊るされた土台の淵が、
崩れ、壊れている様を見て、
むなしさ………が、
胸を重く……支配していた
四季………
人の心も……同じだろう……
移り変わり、、、
そして……次の年も……
また、その場に芽吹く
その場所で、生きていく為に