タイタニック号を求めて

 

 

 NHKのニュースサイトを見ていたら「タイタニック号」を観に行く「観光用潜水艇」が行方不明になった、というニュースがあった。
「タイタニック号」は1912年に大西洋を航行中、氷山に衝突して沈没した豪華客船。中にレストランがあって、そこの給仕たちが「アラカルト」という楽団を結成して、乗員たちを楽しませていた。そして船が沈んでいくあいだ、給仕たちが演奏し、乗員は賛美歌を歌いながら死んでいったという話を昔ベースのガモウさんがしてくれた。それでガモウさんと私で組んだデュオの名前は「アラカルト」になった。だからレパートリーには賛美歌があって、最後に歌うことにしていた。結局デュオも沈没してしまったが。
「タイタニック号」は今もまだ海の底にあったのか。そんなことも知らなかった。
 しかし、水深4千メートルに眠る難破船を観に行くために3千5百万円(!)を払い、死の危険を冒すってどういう人たちよ? どこかの国の王子様? 大富豪? 宝くじにあたった人? 心機一転するために家を売り払って何もかも捨ててきた?
 NHKのニュースサイトには、どんな人たちが乗っていたのか、くわしく書いてなかった。ググってみると、少しわかってきた。
 潜水艇は5人乗りで、タイタニック号の残骸の探索をするための、表向きは科学的研究が目的とされている。観光用、というのはちょっとニュアンスが違っていて、3500万円を払えば民間人でもそれに参加できる、という意味合いのようだ。
 ロシアの報道によれば、乗組員は乗船前に死の危険を承諾する文書に署名を求められるという。「この実験船は規制当局によって承認または認定されておらず、身体的傷害、精神的傷害、または死亡につながる可能性があります」
 フランスの新聞「ル・モンド」やイギリス紙の「ガーディアン」に、乗船した人たちのことが書かれていた。
・英国のビジネスマン、パイロット、宇宙飛行士のハミッシュ・ハーディング(58)。ドバイを拠点とするプライベートジェット販売会社「アクションアビエーション」のCEO。彼は冒険家として航空と宇宙飛行と潜水の分野でギネス記録を3つも保持していて、そのうち1つは北極と南極を通って地球を周回した速度が世界一早かったということだ。
・フランス人の海事専門家、タイタニック号を研究している元海軍司令官のポール=ヘンリー・ナルジョレット(77)。彼は「ミスター・タイタニック」と呼ばれ、もう35回以上もタイタニック号の調査のために潜っているという。ナルジョレットによれば、タイタニック号は予測もなく急に閉じられた人生が詰め込まれた「タイムカプセル」だ。彼は去年、ル・モンドのインタビューに答えて「難破船の周りには数えきれないほどの種類の生物が集まっています。タイタニック号は巨大な砂漠の中のオアシスのようです」と述べていた。
・パキスタンの実業家のシャーザダ・ダウッドとその息子、シュレイマン・ダウッドも乗船していた。
・ロシアの報道ではオーシャンゲイトのCEOストックトン・ラッシュなる人物も乗船していたということだが、「ル・モンド」と「ガーディアン」にはその人物の名前はない。
・そしてフランス人の操縦士。しかし、5人乗りの潜水艇なので、数が合わない。
 死の危険を覚悟しての海底探索。そこはナルジョレットの言うように砂漠のオアシスで、人生の最期を迎えるのにふさわしい楽園のような場所だったのだろうか。しかし、そこまでたどり着けていたのだろうか?
 

ル・モンド
https://www.lemonde.fr/sciences/article/2023/06/20/titanic-ce-que-l-on-sait-du-sous-marin-parti-explorer-l-epave-et-porte-disparu_6178338_1650685.html
 

MKRU
https://www.mk.ru/incident/2023/06/20/v-dele-o-propavshem-bliz-titanika-podvodnom-apparate-poyavilis-strannye-detali.html?from=main_omk
 

ガーディアン
https://www.theguardian.com/uk-news/live/2023/jun/20/titanic-submarine-rescuers-missing-titan-submersible-search-latest-news
 

ニューヨーク・タイムズ
https://www.nytimes.com/live/2023/06/20/us/titanic-missing-submarine

 

 

  今日のニュース、1年前、2年前、3年前、4年前

 

2023/6/20
・全国の公立小中高校等で欠員が生じる「教員不足」について、今年4月の始業日時点と前年同期を比較した結果「悪化した」と回答した教育委員会の割合が4割超に上ることが、文部科学省の調査でわかった。特に小中学校での悪化が目立った。
(読売新聞オンライン)
・電動で空を移動する「空飛ぶクルマ」を開発中のベンチャー企業のスカイドライブ(愛知県豊田市)とスズキが19日、機体の製造に向けて基本合意したと発表した。
(朝日新聞デジタル)
・タイタニック号を見に行く観光用?の潜水艇が消息を絶ち、沿岸警備隊が捜索中。
(NHKニュース)

 

2022/6/20

・千代田区の「丸の内オアゾ」の6階エスカレーターそばの通路から18日19時半頃小6男子(12)が自ら転落防止用の柵を乗り越えて3階に転落し、意識不明の重体だったが、19日午後、搬送先の病院で死亡した。男の子は当時1人で施設に来ていた。
・地面の隆起が観測されている能登地方で昨日15時過ぎM5.4の地震があり、震度6弱を観測した珠洲市春日神社の石の鳥居が地震の揺れで根元から折れ、崩れた。
・太平洋南下中の露海軍艦艇5隻が沖縄本島・宮古島間を抜け東シナ海へ入った。
 

2021/6/20
・さいたま市のネットカフェで従業員の女性を32時間個室ブースに監禁して立てこもった事件で、林一貴容疑者(40)の指紋が、この4日前に横浜のホテルで風俗店従業員(22)が30万円奪われた事件現場に残っていた指紋と一致していたことが分かった。
・20日朝6時半頃、目黒区上目黒の住宅密集地で3階建ての住宅から火が出て周辺の住宅2棟に燃え移り、火元の住宅は全焼、住人3人のうち、52歳の男性1人が死亡、あとの2人は2階から飛び降りて避難し、足にけがをして病院で手当てを受けている。
・元なでしこジャパンFW横山久美(27=ワシントン・スピリット)が元なでしこジャパンFW永里優季(33=レーシング・ルイビル)の公式YouTubeでトランスジェンダーであることを告白。「20歳のシーズン終わってからおっぱいを切除した」という。

 

2020/6/20
・WHOは19日、COVID-19感染者が米州を中心に増加しており前日の増加数は約15万人と1日当たりで過去最多を記録したとし、感染拡大が加速していると警告。テドロス事務局長は「世界は新たに危険な段階に突入している」と指摘した。
・今月の11日、自宅寝室に長女(2)と次男(1)を置き去りにし、寝室の出入口の引き戸に外側からテープを貼って外出したとして古河署は20日、保護責任者遺棄と監禁の疑いで、父親の無職男(21)を逮捕した。子供達の命に別状はなかった。
・20日午前8時すぎ、大井競馬場の競走馬サルダーナ号が調教中に逃げ出し、防潮堤を跳び越えて京浜運河に転落。馬は対岸まで泳いだところで、関係者に確保された。同競馬場では先月下旬も馬が逃げ出し車とぶつかる事故が起きていた。

 

2019/6/20
・LINEは、仮想通貨交換業者として近く金融庁に登録を済ませ、来月中にも、「BITMAX」という取引所を開設し、国内でビットコインやライン独自の通貨「Link」を含む仮想通貨の取引を開始する。
・イランがホルムズ海峡上空でアメリカ軍の大型無人機を撃墜した。イランは領空侵犯されたと主張、アメリカは領空侵犯は無く国際水域の上空を飛行中だったとしている。撃墜されたのはアメリカ海軍の大型無人機「MQ-4Cトライトン」。
・いま、定年後に、引き上げられた年金受給まで耐えられずに破産する「定年破産」が増えている。背景にあるのは役職定年や定年再雇用による賃金の低下、さらに晩婚化で住宅ローンや高い教育費が60歳をすぎても重くのしかかる。