〇ニューヨークタイムズより

 

U.S. Believes Ukrainians Were Behind an Assassination in Russia - The New York Times (nytimes.com)

 

U.S. Believes Ukrainians Were Behind an Assassination in Russia

ドゥーギン氏の娘を暗殺したのはウクライナ人だとアメリカは確信している。
 

American officials said they were not aware of the plan ahead of time for the attack that killed Daria Dugina and that they had admonished Ukraine over it.

 

アメリカ政府はダリア・ドゥーギナさんが殺害された爆破事件の計画を知らず、関与していたウクライナ政府に対して勧告を行ったと述べた。

 

Daria Dugina’s memorial service in Moscow in August. U.S. intelligence agencies believe that parts of the Ukrainian government authorized the attack that killed her.
Daria Dugina’s memorial service in Moscow in August. U.S. intelligence agencies believe that parts of the Ukrainian government authorized the attack that killed her.Credit...Kirill Kudryavtsev/Agence France-Presse — Getty Images

9月にモスクワで行われたダリア・ドゥーギナさんの葬儀。アメリカの諜報機関はウクライナの政府関係者が爆破事件を計画したと確信している。

 

 

By Julian E. Barnes, Adam Goldman, Adam Entous and Michael Schwirtz
Oct. 5, 2022

 

WASHINGTON — United States intelligence agencies believe parts of the Ukrainian government authorized the car bomb attack near Moscow in August that killed Daria Dugina, the daughter of a prominent Russian nationalist, an element of a covert campaign that U.S. officials fear could widen the conflict.
 

アメリカの諜報機関は「8月にダリア・ドゥーギナさん(ロシアの国粋主義思想家アレクサンドゥル・ドゥーギンの娘)の乗っていた車に爆弾をしかけて殺す計画をたてたのはウクライナの政府だと確信している。アメリカはこのような隠れた工作が紛争を拡大することを危惧している」と述べた。

 

The United States took no part in the attack, either by providing intelligence or other assistance, officials said. American officials also said they were not aware of the operation ahead of time and would have opposed the killing had they been consulted. Afterward, American officials admonished Ukrainian officials over the assassination, they said.
 

「アメリカ政府は断じてこのような作戦に関与していない、情報提供やアドバイスもしていない。暗殺計画を事前に知っていたわけでもないし、もしそのことで相談されたら反対していた。起こってしまってから初めて知って、アメリカ政府はウクライナ政府の高官に対して暗殺はすべきではなかったと勧告した」

 

The closely held assessment of Ukrainian complicity, which has not been previously reported, was shared within the U.S. government last week. Ukraine denied involvement in the killing immediately after the attack, and senior officials repeated those denials when asked about the American intelligence assessment.
 

complicity=共謀、不正事態への関与

assessment=判定

senior officials=高官

 

ウクライナの暗殺への関与の証拠は、今まで明らかにされていなかったが、先週になってアメリカ政府は当局から報告を受けた。ウクライナ政府は暗殺の直後に関与を否定し、アメリカ諜報機関の疑惑に対してウクライナ高官は「そういうことはしていません」と否定を繰り返した。

 

While Russia has not retaliated in a specific way for the assassination, the United States is concerned that such attacks — while high in symbolic value — have little direct impact on the battlefield and could provoke Moscow to carry out its own strikes against senior Ukrainian officials. American officials have been frustrated with Ukraine’s lack of transparency about its military and covert plans, especially on Russian soil.
 

retaliate 報復する、復讐する

 

ロシアはダリアさんの暗殺に対してまだ報復を行っていない。しかしアメリカ政府はこの、戦場に直接影響を与えるものではないが、象徴的な重みのある殺害行為は、モスクワを刺激して復讐を遂げさせるのではないかと懸念している。アメリカ当局はまた、ウクライナがアメリカに対して軍事的な計画や今回のような陰謀を隠していて、とりわけロシア国内に潜入しての工作について情報を与えてくれないことに苛立っている、と述べた。

 

Since the beginning of the war, Ukraine’s security services have demonstrated their ability to reach into Russia to conduct sabotage operations. The killing of Ms. Dugina, however, would be one of the boldest operations to date — showing Ukraine can get very close to prominent Russians.

 

sabotage 妨害行為、破壊工作

 

戦争の初期から、ウクライナの安全保障局はロシアの国内で破壊工作をする能力があることをあらわにしてきた。なかでもダリアさんの殺害は顕著に、ウクライナはロシアの要所に潜り込むことができることを見せつけた。

 

Some American officials suspect Ms. Dugina’s father, Aleksandr Dugin, a Russian ultranationalist, was the actual target of the operation, and that the operatives who carried it out believed he would be in the vehicle with his daughter.
 

operative 工作員

ultranationalist 超国家主義者(国粋主義者)

carry out 行う

 

アメリカ当局は、ダリアさんの父で国粋主義思想家のアレクサンドル・ドゥーギン氏が暗殺のターゲットで、工作員の思惑では、ドゥーギン氏は娘と一緒に車に乗るはずだった、と考えている。

 

Mr. Dugin, one of Russia’s most prominent voices urging Moscow to intensify its war on Ukraine, has been a leading proponent of an aggressive, imperialist Russia.--以下省略

 

intensify 強める

leading proponent 主要な支持者 

 

ドゥーギン氏はウクライナとの戦争に賛成するプーチン大統領の主要な支持者の一人で、精力的にロシアの帝国主義を推進してきた……


▲省略された後半部分にはとくに新しい情報はない。ロシアの諜報機関がすでに暗殺者をつきとめていて、ウィキペディアでダリア・ドゥーギナを検索すれば、そこにくわしく書かれている。プーチンの外交政策に影響を与えてきた思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏が乗る予定だった車の座席の下に爆弾がしかけられ、氏の娘のダリアさんが身代わりで焼死したのは8月20日だったから、もう2ケ月もたっているが、なぜいまになってアメリカ政府は「自分たちは関与していない。いままで知らなかったけどウクライナのしわざだと最近わかったよ」と言っているのかな。「関与していない」についてはなんとも言えないけど、「いままで知らなかった」というのはどうだろう?

娘と一緒に暗殺されかけたドゥーギン氏は、日本が軍国主義だったころアジアに大東亜共栄圏を作って西欧諸国に対抗しようと考えたのと似たようなことをユーラシア圏で考えているような人で、娘はその広告塔を務めていたので、アメリカにとっても非常に良からぬ人物だが、だからこそ、「アメリカがやったんじゃね」と陰でささやかれるのを牽制しようとして、今になって言い立てているのかな。

ただ、アメリカはロシアに入りこめないけど、ウクライナは入りこめる、というのは、納得できる。もともと地続きのおなじ国だったこともあるからお互いに親戚もたくさんいるし、ウクライナに親ロ派がいるようにロシアにも親ウクライナ派はいるだろう。部分的動員に対して逃げ出したロシア人がたくさんいるのもさもありなん。親戚とは闘いたくないだろうし。そういえば、戦いたくなくてウクライナから女装して逃げ出そうとしたウクライナ人の男の子が国境でばれて連れ戻されるという、気の毒なことがあったな。ゼレンスキー大統領は国境を封鎖して脱出をゆるさなかった。

 ウクライナに武器を与え、金品を与えて協力しながら、敵国の思想家の娘の暗殺は「ウクライナが勝手にやっちゃって。アメリカは知らなかったです。だってウクライナは隠し事ばかりするし」とぐちをこぼしている。じゃあ、手を引くのかな、と思いきや「いやいや、これからもウクライナに協力しまっせ(強力なドローンも発注しちゃったし)」というわけのわからないまとめ方で、泥沼に足をつっこんだまま引き返せなくなった感がある。

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2022/10/05
・スウェーデン王立科学アカデミーはノーベル化学賞を米国・デンマークの3氏に授与。理由は「簡便な化学反応や生物学的反応を使って機能性分子を作る手法の開発」。バリー・シャープレス氏は野依良治氏との共同受賞以来2度目の受賞となる。
(毎日新聞)
・北朝鮮が4日午前7時22分、火星12型とみられるミサイルを東に向けて発射。ミサイルは青森県の上を通り22分後に東北地方から3200km離れた太平洋に落ちた。
(NHK)
・9月27日、群馬県のサファリパークで女児(6)がカピバラに咬まれ9針を縫う怪我。
(FNN)

 

2021/10/5
・5日19時半頃、鹿児島・南九州市頴娃町牧之内の畑の側の畔道で高齢とみられる女性の上半身が焼けた遺体が見つかった。野焼きに巻き込まれた可能性がある。
・今から50年以上前に「二酸化炭素が増えれば地球の気温が上昇し、地球温暖化につながる」と発表した真鍋淑郎さん(90)がノーベル物理学賞の受賞者に決定。
・米マイクロソフトは5日、6年ぶりのOS「ウィンドウズ11」の提供を始めた。コロナ禍で利用が伸びている対話ツール「チームズ」を標準搭載。マルチタスク機能を強化。
 

2020/10/05
・サクラメントの公園で3日、車の中からの発砲があり、9歳の少女が死亡。他にも女性1人と6歳の少女が発見されて病院に搬送、女性は重体。男性1人も負傷した。事件は殺人として捜査が行われており、警察は目撃者や証拠を探している。
・3日11時25分頃、岡崎市の稲垣隆さん(75)宅で3日から同居予定の次女の妹真さん(46)が胸などを刃物で刺され死亡した。稲垣さんの孫で高1の男子生徒(16)が刺したとみられ、生徒は約25分後に1km余り離れた線路で電車にはねられ死亡した。自殺とみられる。
・5日午前、杉並区の住宅で意識不明の女性(35)と子供2人と血のついた包丁がみつかり、3人は病院へ搬送されたが、死亡した。長女(7)の通う小学校から同日朝「登校して来ない」と別居中の夫に連絡があり、様子を見に行って発見した。無理心中の可能性。

 

2019/10/5
・豊中市の無職・藤井裕也容疑者(31)が4日午前9時頃、自宅近くの路上で47歳の女性の頭を金槌で殴り、殺人未遂で逮捕された。女性は頭蓋骨を骨折する重傷。藤井容疑者は隣の人と騒音のことでトラブルになったと話している。
・京都アニメーション放火殺人事件で、全身に重いやけどを負ってICUで治療が続けていた20代の女性社員が死亡した。死因はやけどが広範囲に及んだことで細菌が体内を巡る敗血症性ショック。事件での死者は合わせて36人になった。
・ラグビーワールドカップ日本大会で、日本はサモアに38対19で勝って1次リーグ3連勝、グループの首位に立ち、初めてのベスト8進出に更に近づいた。今月13日に1次リーグの最終戦で、スコットランドと横浜国際総合競技場で対戦する。