昨日、カリフォルニア半島の付け根にあるアメリカ合衆国とメキシコ合衆国のあいだの国境で、「ファンダンゴ」というメキシコの伝統音楽「ソン・ハローチョ」のジャムセッションが行われていることを、初めてしりました。今日はメキシコの「ソン・ハローチョ」発祥の地、メキシコ南部に位置するベラクルーズ州へ行って本場の「ソン・ハローチョ」を聴いてみたいと思います。
 ウィキペディアによると、ソン・ハローチョはベラクルス州の地理的位置及び歴史的経緯から、メキシコ先住民由来の音楽的影響、アフリカ由来の音楽的影響、スペイン由来の音楽的影響を内包しているそうです。
 この曲の名前は「son jarocho sureño」(南のソン・ハローチョ)楽団の名前は「el buscapies」。buscapiesをネットのスペイン語辞書で英語に訳してもらうと「firecracker」もしくは「jumping jack」。「firecracker」は爆竹、「jumping jack」はあやつり人形という意味ですが、どっちでしょうね。
 いちばん右の人が演奏しているのは、アフリカの親指ピアノに大きな共鳴箱をつけたみたい。調べてみると、マリンボルというのです。マリンボルという楽器の名前は聴いたことがありましたが、どんなものか知らなかったのです。低い音で、ベースの役割を果たしているみたいです。白い服を着た人が弾いているのはレキント・ハローチョ、そのとなりの人が弾いているのはハラーナ・ハローチャではないかと思いますが、違うかもしれません。いちばん左の人が弾いているのは一見ギターのようですが、大きなサイズのハラーナなのかも知れません(ハラーナにはいろんなサイズがあるらしい)。
 最初に川の映像とともに詩が朗読されます。
 The southern Fandango sounds...
 The southern Fandango sounds...
 Dawned on the plain,
 And everything that has happened stayed in dreams.
 Time has no owner and Son has not end.
 Is like the reed, that renews by cutting it.
 Water coming from the cave, from an eternal spring.
 南のファンダンゴが聴こえる
 南のファンダンゴが聴こえる
 平野に太陽は昇ったけれど
 すべてのできごとはまだ夢の中にまどろんでいる
 時には主人がない。ソン(・ハローチョ)には終りがない
 それはまるで葦のようだ。刈られても刈られてもまた茂る
 それはまるで渓谷から流れてくる川の水のようだ
 枯れない泉から湧き出てくるのだ
 …というような意味でしょうか。
 最初に「eternal spring」という言葉が耳に入ったとき、勝手に永遠の春、という言葉がうかんできてしまいましたが、全体の意味を追ってみたら、springは泉、水源地の意味ですね。そういえば、常夏の国、とか、南極北極みたいにずっと冬、みたいな国はあるけど、ずっと春、という国はないみたい。そんな国があったら天国ですね。