今日は朝から出張校正。仕事をしている7階の会議室の窓からオリンピックの会場となるはずの国立競技場が見下ろせる。はたしてコロナ騒ぎは収まり、オリンピックは7月にここで開かれるのだろうか?
 帰りの小田急線は眠くて立ったまま居眠りしていた。同じ快速でも、行きに比べて帰りはゆっくりのような気がする。カナちゃんから「これから行ってもいいですか」というメールが来た。何か話をしたいことがあるらしい。でも明日も朝から出張校正なので、このあいだみたいに朝まで話し込まれても困るので、断った。平尾団地にはいろいろな人が住んでいる。まだまだ私が気づかないディープな世界があるようだ。
 後輩のMちゃんから電話がかかってきた。あまり調子はよくなくて、一日になんども転倒するという。最近ついMちゃんにイライラをぶつけてしまうことが多くなった。すると、Mちゃんは「なにをイライラしているの?」と、私から話を引き出そうとするので、少し自分の話をしたら、気持ちが落ち着いた。以前は私がもっぱらMちゃんの話の聞き役だったが、最近は私がそういう気分でないときは察してくれるようになった。
 ここ、平尾の桜並木はまだ蕾のままだ。来週の前半が見ごろかもしれない。ここに来てから5年目の桜。最初の桜は引越しの日に咲いていた。桜並木に魅せられて、誰も知る人のいないこの地に住みはじめて、あっというまに4年もたってしまった。去年は引っ越したいと思っていたけれど、できなかった。今年はできるかしら。それともだんだん引っ越すこともあきらめていくのかしら。いろんなことをあきらめてきた。あきらめるのが私の人生かという気もしてきた。

 

追記:

この日記を書いてから1年が過ぎた。
今年、平尾の六年目のサクラはもうとっくに散ってしまった。
オリンピックは去年けっきょく開かれず、今年開催されることになっているけど、確実ではない。
Mちゃんは去年、2020年の9月に心臓発作で亡くなった。

長い闘病生活だったけれど、最後まで生きることも、作家になる夢もあきらめていなかったMちゃん。
あきらめなくても命はいつか持っていかれるのだ。
私もMちゃんを見習って、自分からはあきらめないことにした。

引越しも、いまは現実にできなそうでも、あきらめない。

いつになるかわからないけど、きっとできるときがやってくる。
そのときに向けて、少しずつ身軽にするとか、準備をしていくことだ。