新聞代も上がっている。ネットでニュースは見られるし、節約のために新聞をとるのはやめようか、と思うこともある。けれど、新聞をちょっと眺めてからネットを見ると、東京新聞の第一面に大々的に載っているニュースが、ネットの主要ニュースには全然流れていないことに気づくことがある。ふだんはネットで主要ニュースしか見ないし、主要ニュースは新型コロナウイルスと槇原敬之の話題で埋め尽くされている。報道が偏りすぎていないか?
 今朝の東京新聞の第一面に載っていたのは、辺野古の新基地建設地の海面下70メートル超の地盤に「軟弱」を示す実測データが存在していた問題で、新潟大の立石雅昭名誉教授らの研究調査チームが安定性を試算したところ、国の要求基準を満たさず、最悪の場合、埋め立てた盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れがあるということがわかったという記事だった。安全な設計水準を満たすためには地盤改良の必要があるが、国内の作業船の能力では70メートルまでしか対応できないということだ。実は防衛省は国会に提出した資料の末尾に英文で地盤強度の実測データを記載していたのだが、防衛省は「強度試験をやっていない」と虚偽説明を繰り返していたということだ。東京新聞の取材に対して河野太郎防衛相は、「有識者の技術検討会からもお墨付きをもらっている」として追加の調査も必要ないといっている。
 この筋書きは原発と同じだな、と思う。危険性はわかっていても、隠して稼動を続け、地震で爆発して初めて大騒ぎになる。それまでは一般の人も原発のことを真剣に考えてはいなかった。必要悪、とか、不安はあるけどどうしようもない、とか一部の人が騒いでいる、という雰囲気だった。辺野古も同じように、基地を作ったけれども崩壊し、大きな事故が起こって人がたくさん死んだり、海が汚染されたり、多額の税金がムダに使われることになる前に、やっぱりここに作るのはやめよう、ということにどうしてならないかと思う。
 主要ニュースサイト(NHK、Yahoo、Google、朝日新聞など)のネットニュースで探してみたが、辺野古の軟弱地盤の問題は見当たらなかった。琉球新報のサイトを見れば、もちろん、今日のニュースの政治面にトップ扱いで出ている。では、と主要ニュースサイトの政治や地域のニュースも調べてみたが、みあたらない。NHKの地域ニュースから沖縄を選ぶと「新型コロナウイルス、沖縄発確認」というニュースはあったが、辺野古の地盤についてのニュースは皆無だった。Yahooの地域ニュースでは「那覇で3日連続夏日」だった。GoogleとYahooのニュースにはもともと「政治」という項目がない。やっぱり、ネットの主要ニュースサイトにはどこか手落ちがあるか、なんらかの圧力がかかっているようにしか思えない。
 逆に、東京新聞の内容に偏りがあるという意見もあるかもしれないが、東京新聞に載っている重大ニュースがネットには載っていないということが明らかなので、やっぱり新聞もとり続けるしかないな、と思った。東京新聞には広告があまり入っていない。それもむだな紙が増えないのでよい。