朝、いつもの時間に起きて、カーテンわ、開けて室内に朝日を取り入れて、いつもの量のさし餌をして、体重測って、スピと少し触れ合って、掃除したケージに戻した。
スピはピイピイ鳴いていて、いつも通りの様子。
温度も湿度も問題なし。
フンにも異常なし。


今日は待ちに待った漫画の新刊が出る日。
コンビニのネットで予約したので、
それを朝一で取りに行く。

本、面白い!
夢中で読んだ。
スピはケージの中でいつも通り丸まっている。
寝てるのか?鳴いてはいないけど、この子はいつも鳴く子ではないので特にいつもと変化なし。
温度湿度も問題なし。


さて、漫画、もう一度最初から読み直す。
楽しい、楽しい!

おっと、そろそろお昼の時間。
スピにごはんを…そこで異変に気がついた。

スピは寝ている様に見える。
スピ、スピ?
声をかけても、いつもならご飯の催促の声を上げるのに、鳴かない。
動かない。

焦ってケージからスピを掬いあげる。
スピのからだは柔らかくて温かい。
でも、目を開かない。
鳴かない。
動かない。

スピの身体をさする。
手のひらの上で、スピのからだがゴロンとひっくり返った。
フンが漏れてる。

動かないスピを両手手のひらで包んで、
とにかく呼ぶ。
スピどうしたの?なんで目を開けないの?なんで鳴かないの?なんで動かないの?
身体をさする。

今日に限って動物病院はお休みの日。
焦って何度も打ち間違いしながら、店主さんにスピの様子がおかしいとLINEを送る。
スピの写真も添えて。
ちなみにペットショップも今日は定休日。


店主さんからLINEの返信が無い。
既読もつかない。
返信くるまで、私は何も出来ずにただただ
スピを呼んで身体をさすった。
どんどんスピのからだが冷たくなっていく。
手のひらから、スピの命がこぼれていっている気がして、
両手でスピを包みながら、何度も名前を呼んだ。
スピのからだが、硬くなってきた。
フワフワだった羽毛がしっとりしてきて、
温かかったからだが冷えてきて、
現実感のない頭で、これ、死後硬直なんじゃ?って思った。

異変に気がついてから20分が経った頃、店主さんからLINEの返信がきた。

『残念ですが、亡くなってしまいましたね。朝は元気だったのなら、原因は齟齬かもしれません。南無阿弥陀仏。落ち着いたらお店に来てください』


明日に続きます。