彼の用意してくれた部屋に住み、これからの事を考えた。

“いらっしゃいませ、こんにちわー”(マクドのバイト)なんてやってたら生きていけない…。

あたしは持っていたお金の全てを使って化粧品やスーツを買った。

そして夜の街へ。

あたしは夜の仕事で生きていく事にした。

面接もあっさりクリア。

童顔でもメイクをすればそれなりに見える。

当時は厚底が流行っていたので背の低さもカバーできたんだと思う。

住んでいた場所は西成区。

関西の人ならどれだけガラの悪い場所かわかると思う。

とても女の子が独り暮らしするような所ではなかった。

外に出ればホームレスからタバコをねだられ、エレベーターでは「1万払うから僕のオナニー見てください」とか声をかけられ…。

もともと大人しくて気の小さいあたしは怖くてたまらなかった。

でも意地っ張りなあたしは絶対謝って家に戻る事だけはしたくなかった。

強くならなきゃ犯られる。

子供だとバレたらクビなる。

そんな環境があたしの性格のベースを封印させた。

誰も寄せ付けないオーラ。

うんと背伸びをして少しでも大人に見えるように。

どうすれば男を夢中にさせる事ができるのか。

毎日が勉強で必死に頑張った。


唯一、彼が家に遊びにきてくれる時だけが、ありのままの自分でいられる癒しの時間でした。

何も家具がないワンルームに備え付けのベッドがポツンと一つ。

小さなベッドで彼の腕枕で寝るのが心地よかった。


それなりの容姿のおかげで、すぐにお客様がつき、お金を稼げるようになったあたしは彼に家賃を払うようになった。

仕事はどんどん忙しくなり、夜仕事のあたしと学生の彼とでは時間も合わないので、2人でゆっくりできる時間も次第に減っていった。

続く