わたしは自分の好きなものがはっきりとしていました。
着るもの、食べるもの、空間、聴くもの。
それぞれにこだわりがあって、どれもがわたしをわくわくどきどきさせてくれた。
わたしを作ってるのは、そういう好きという心だった。
だけど彼と出会ってから。
好きが他のベクトルに向いていることに敏感だった彼は、わたしの好きを制限しにかかった。
わたしにとっては、好きが増えた。それはわたしにとってはとても幸せなこと。
けど彼にとっては、わたしの好きという感情が他にいくことが納得できなかったらしい。
なんだか今考えても不釣り合いな関係だ。
わたしからしてみれば窮屈で、彼からしてみれば物足りなくて。
そのくせ自分からは会いに来ようともしない彼に、わたしはどう接すれば正解だったのか。
なにが違えば良かったのか。
どうすればあんな彼に
どうすればこんなわたしに
ならずに済んだのだろう。
今は何を着ればいいのかも分からない。