あ、やられた。
そうだ。
帝王、めっちゃ頭よかったんだ。
目の前には、
にやにやして俺に微笑む帝王。
そして、
帝王の戦略に引っかかった俺が、
唖然としてると、
「わ。ニノ。
理由教えてくれるの?
ありがとう。」
嬉しそうに無邪気に巻き付く
幼馴染のまぁくんと、
「ありがと。
ニノの話が聞けてうれしい。」
その綺麗な瞳をきらきらさせて、
真面目に頷く潤くん。
最後に
隣の智が、
「ありがとう。ニノ。
ニノは絶対俺が、
俺たちが守る。
だから、
安心して話して。」
そう言ったから、
ふぅ。
覚悟を決めて、
一つずつ言葉を捻り出す。
「あのさ。
絶対、先生とかに話さないでくれる?」
「うん!」
「もちろん。」
「当然。」
「安心して?」
まぁくん、潤くん、翔くん、智が、
それぞれ真剣な顔で返事をしてくれる。
「俺がさ。
学校行かなくなったのは、
翔くんに似たような感じもある。
学校でさ。
勉強してるのがめんどくさくなった。
授業で
やってることは、
タブレットや塾とかで
もうわかっちゃってるしさ。
家でゲームやってると、
起きられないし、
学校来るのがめんどくさくなったのがひとつ。」
ま、一番大きいのがこれなんだけどな。
学校行くのがめんどくさい、
いやだなって思うのを後押ししたのが
実はある。
「それで?」
智が優しく聞いてくれると、
重く固く閉ざしてしまった気持ちを
少しずつ溶ける気がする。
その溶けてきた気持ちを、
どうにかやっと言葉にする。
「クラスが、嫌な感じがした。
女どもがさ。
俺のこと、なんでか知らないけど
悪魔って呼び出したのは、
正直どうでもよかったんだけど。
なんかさ。
俺がのびのびやれないってかさ。
みんな、
おんなじにならないと
仲間はずれみたいな雰囲気が出てきて、
もうどうでもよくなった。
5年の時まではさ。
みんなそれぞれ適当にやってれば、
それで 自分は自分って感じで、
それで認めてもらってたのに。
ちょっとでもできなかったりとか、
人と違ったりしたりすると、
馬鹿にされるってか、
後ろ指さされるってかさ。
なんか、
ちまちました嫌らしい集団になっちまって、
それが死ぬほどかったるかった。
そんなめんどくさい場所に
わざわざいく必要ないんじゃないかって
思っちゃってさ。
それが、
学校行かなくなった理由。」
ぽつりぽつりと,
思ったことを話せば、
「悪い。
やっば、俺のせいだな。」
翔くんが俯き、
「ごめん、俺。
自分のことだけで一生懸命で、
ニノのこと、なんもわかってあげてなかった。」
まぁくんが、
ぐすぐす鼻を鳴らしながら泣き出す。
「み、みんな。
だ、大丈夫?
おねがい。泣かないで。」
潤くんは、
通夜みたいな雰囲気になってしまって、
おろおろし始めるし、
やばいな。
この状況。
どう収めようか。
焦り始めたときだった。
「ニノ。
それって、お前だけの問題じゃねえだろ。
俺たちクラスにいるものの問題でもある。
お前が学校にいくとか、いかないとか
別にして
クラスってやつが、
そんな居心地の悪い場所だってのが、
いけないんじゃねえか。
わかった。
お前の悩み、
俺たちにも共有させろ。
俺もそんなクラスはやだ。
だから、
みんながいやすい場所にしようぜ。」
智が真面目な顔で俺に向き合った。
⭐︎つづく⭐︎
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