Dance in the dark      松本潤


【翔潤】



まるDAY24   6日目の今日は

皆さんがリクエストしてくださった嵐さんの曲で

松本さんが主人公(語り手)のお話が上がります。

お楽しみください。








​Dance in the dark




真暗な闇夜は

俺のホームグラウンド。

俺の仲間である蝙蝠が、

低空で飛び回る。

都会は、

喧騒と血と猥雑さに溢れ、

俺らの眷属が活気を放つ。



黒いスーツに身を包み、

人の世界などというものに降りたてば、

すでに、

人は酒と欲に酔い、

正気を保てない有様。



どの男、女とも、

そのエナジーである精気を奪い、

我が糧とすることは可能ではあるが

できうるのなら、

良質な人間の精気を喰らいたい。




健全な精気は、健全な精神に宿る

とは、

我が吸血族に伝わる言い習わしだが、

確かに、

良質な人間は良質な食事を摂り、

節制した生活を行っているため、

まがいものや、添加物などない

俺たち吸血族の体にも良い良質な精気を宿しているのだ。





大体、

俺ら吸血族人種も、

いろいろな種族に分かれる。

よく伝習にあるような人血を喰らい、そのまま同族にする野蛮な輩や、

食糧として吸血すれども、同族にするためには特別な儀式を要する一族。(ポーの一族とかが有名か。)

我が一族は、食糧としては、人間の精気を喰らい、

同族とするときに

その精気や人格が我が一族に相応しいかを見極めてから吸血の儀式を行うから、

割と穏やかで高貴な一族だと思う。





ま、ぐだぐだと

自分の心に言い訳したところで仕方ない。

俺は、

そういうわけで、

高級な人種が集まる某会社のレセプションパーティへと忍び込んだ。


いる。いる。


高い地位にいても、

ぎらぎらと欲望に塗れている輩。

お前が欲しいのは、

地位か、自分の遺伝子を残すがための異性か、

それとも一夜の欲を満たすための相手か。


ああいう輩は願い下げ。


俺はカクテルグラス片手に、

良質で上質な人間を探す。


ああ。いた。

あの男だ。


くりくりとした目で、

相手の話を真摯に聞く男。

高級なスーツも上品で、悪目立ちしていない。

それどころか、その佇まいだけで、

周りの人を惹きつける。


ああ、あの精気が欲しい。


そう思って、

熱い目でそいつを見ていると、


「失礼。」

そいつが、今まで話していた女との話を折り、

こっちに向かって、

歩き出してきた、






そこからのことは、あまり覚えていない。 

何を話したのかさえ記憶にないが、

いきなり意気投合し、

そして、

いま、高級ホテルの一室のベッドの上。

俺が

そいつを組み敷いている。



「なぁ、こんな関係になる前に、

名前ぐらい教えろよ。


俺は、櫻井翔。 

外資商社日本支社のCEOだ。」


翔の目は俺の下できらきらと輝き、

まるで今日の夜空の星々のようだ。



「俺は、潤。

松本潤。


翔、今宵俺と素敵な夜を。」


翔の唇に自分の唇をつけ、

そのぷるぷるとした唇から、

精気を吸い取ろうとした時だった。



くる。

 

いつのまにか、

俺の天地が逆になり、

俺の目の真上に翔がいる。



「潤。

それは、俺の言葉。

潤に未だかってない素敵な夜を味わせてあげる。」



え。え。ええっ。

あ。 

うそ。

なに?なにこれ?

やぁぁ。

こんなのはじめてぇ。

だめぇぇぇ。



あれよあれよという間に、

ぐったりと俺はベッドに沈み込み、

たっぷり精を直接の体の中に注がれる。




なに。

この充実感。

そして、

この気持ちよさ。



まだ、快感の残る体で、

翔に尋ねてみる。



「なぁ、翔。

俺、吸血族なんだけど、

あんた、悪魔?それとも天使?


俺をこんなにしたのあんたが初めてなんだけど。」





涙目で聞いても、

裸のまま

ベッドの上で満足そうに煙草を咥える翔は、

淡々と俺に答える。





「はぁ。なんだそれ?

俺、ただの人間だけど。


ま、お前がヴァンパイアでも

モンスターでも、

何でもいいから、

ずっと俺のそばにいろ。


こんないい体離せねえ。

お前はずっと俺のパートナーだ。

わかったな。」





この日から、

吸血族である俺のパートナーは、

ただの人間である

ハイスペックなスバダリになった。







⭐︎おしまい⭐︎







リクエストに

お答えしました。



ヴァンパイア

翔潤

スバダリ翔さん。



お応えできたでしょうか。




吸血鬼 ネタ 2つ目だよね。

2つとも

潤くん絡んでるし。


ま。

許してください。






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