皆さんがリクエストしてくださった嵐さんの曲で
二宮さんが主人公(語り手)のお話が上がります。
お楽しみください
秘密
ライブ前の楽屋。
リハーサルも終わって
それぞれ 思い思いの時間。
松潤は、
スタッフと最後のステージの確認中。
本当、まめなことで。
凝り性かつ、お客様に一番最高のものを見せるという気概。
その気性に俺たちが乗っかってんのもあるけどさ。
ありがたいけど 正直心配。
360度 気がついちゃう人だから大変で心配性なんだって
知ってるけど。
本当 深夜までずっとやってんだから、
体壊さないでよね。
自分の映画の台本をペラペラとめくりながら、
遠目で スタッフと熱論中の松潤を見る。
翔さんは通常営業。
何部もの新聞抱えて、
アイスカフェラテ片手に 優雅に読みまくる。
あらあら
英字新聞まで。
この人のキャパはどんだけ大きいんだか。
相葉さんは、必死。
今度のドラマの台本を 折り込みながら
必死に暗記中。
って、普通 台本って折らないと思うよ?
蛍光マーカーとか、5色ボールペンで書き込む人とか
見たことあるけど。
じとぉっと見てたら、
「うっせぇ。ニノ こっち見んな。」
と 険しい顔でわんこのように噛みつかれる。
あらあら。
ご機嫌斜めさん。
どうも 手を動かさないと覚えられないって
ぶつぶつ言ってんけど、
台本なんて、
雰囲気掴んで、筋さえ外さなきゃ自分の言葉で話せばいいのに
と思うが、
実はこの人もかなり繊細。
相手の役者さんにご迷惑をかけないようにと
一字一句正確に覚えている最中だ。
で、
この人は
というと。
智は、ソファに寝転んで、
釣り雑誌を読んでいる。
時折 スマホに目を映すが、
それとて 釣りのYouTube。
優雅といえば 優雅。
ずるいっちゃずるいぞ。
そう思いつつも
手にしていた 台本に
フリクションペンで
落書きをする。
・・・智のば〜か。
こっち見ろよ
俺が好きなのに
気づけ・・・
ごろりと寝転ぶ 智の 寝姿のイラスト付き。
おっとやばい、やばい。
こんなこと書いてるのを
共演者の方に見られたら。
それでなくても
あっちで台本を睨みつけながらぶつぶつ言ってる
相葉さんは
変なとこ めっちゃ勘がいいのに。
慌ててフリクションペンの後ろで
落書きを消す。
フリクションペンは、
摩擦熱で書いたことがすぐ消せる。
本当に便利な文房具だ。
何もなかったように
印刷の文字だけになった台本。
満足して、
そのページを開きっぱなしにして
相葉さんに声をかける。
「ねぇ。相葉さん。
そろそろ 詰まってんでしょ。
俺も 気分転換したいから
あっちで なんかデザートでも食べよ。」
「あああああ。そうする。
俺、だめだぁ。
文字目の前にしてると頭痛くなるぅぅぅ。」
まるで活字にやられてしまいそうな相葉さんを連れて
楽屋を出ると、
食べ物や差し入れが置いてある部屋へと向かった。
・・・
「ふふふ。」
今度はトレーニングを始めた相葉さんを置いて楽屋へと戻ると
なぜか、大野さん一人。
「あれ、翔ちゃんは?」
「あ、ZEROの打ち合わせとかで
別部屋に行った。
それよりさ。
これ。」
智が指差すのは、俺の台本。
「は?台本だろ?
それがどうした?」
ふっと目を落とすと、
な、な、なんだぁぁぁぁ。
さっきフリクションペンで消したはずの絵と文字が
そこにある。
「な、な、なんでぇぇぇぇぇぇっ!?」
絶叫しながら真っ赤になると、
智がにやにやと笑う。
「ふふふ。
何か俺見て書いてたと思ったからさ、
絶対、悪口だと思ったんだよ。
それで、
復活させた。」
え?智の手元を見ると
ビニール袋に入ったドライアイス。
あ、そうか。
デザート部のやつだ。
それを持ってきて こんなことするか?
確かに、
フリクションペンは熱で消えるけど、
一晩冷凍庫においたりしてー10度にすると
字が復活するとは聞いてたけど
わざわざ こんなことするとは
思わないじゃないか。
感情が沸騰して
口を開いたまま 固まっていると
「ふふ。
おかげで 和の気持ちがよくわかったよ。
ごめんな。
寂しい思いさせて。」
智が、固まったままの俺を抱きしめて
その唇に
ちゅっ と
自分の唇を重ねた。
⭐︎おしまい⭐︎
ほぼ原曲通りのシチュエーション?
大人なので
フリクションペン発動!
設定は珍しく少し前のリアル嵐さん。
ライブ前の様子として書きました。
小道具は フリクションペン (消えるボールペン)。
パイロットの商標登録入ってると思いますが、
この60度で字が消え、
ー10度で字が復活するという
特別なインクのボールペンのことを知らないと
話にならないので、
そのまま 載せてしまいました。
コメントは公開します。