ぶぉぉぉ。
地面を蹴って 4つのプロペラを回して
上へと飛び上がっていく ドローン。
プロポと呼ばれるコントローラーを手にすれば
自分の意のまま
動いていくドローン。
俺が何も考えずに無心になれる時間だ。
日曜日の公園。
俺は
日焼けしないように木陰にはいるが、
芝生には 家族づれや カップルのお兄さんお姉さんが いっぱい寝転んでる。
その中で
ぶぉおおん と静かな音を立てて 浮上するドローンは
結構 注目を浴びてる。
ふふん。
いつも人に目を気にしている俺だが、
実は
それも結構気持ちいい。
100g以下のトイドローンだから
免許も規制もなく どこでも遊べるけど
これだけ 自由自在に動かせるやつはそうそういない。
人の邪魔にならないよう
枝と枝の間。
低空。
そして上昇させて楽しんでいる。
いいな。
やっぱり機械は。
人間と違ってめんどくさくない。
嫌なこと全部忘れて
上に舞い上がるドローンをリモコン片手に見つめていた時だった。
「ああ。
ニノっ。
それ何っ?」
芝生の向こうから、
俺のよく知ってる声がした。
⭐︎つづく⭐︎
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