ああ。甘い。
脳髄がとろけるようにしびれていく。


相葉さんの唇は
俺の唇に吸いつくようで
そして
俺の唇の細胞の全てが泡立っていく。

その快感たるや
甘くて とろける 蜂蜜の雫が
ぽとり ぽとり
脊髄から尾骶骨まで
流れ落ちるかのようだ。




キスなんて。

それこそ 数えきれないほどしてる。

これよりもっと濃厚なものも、
もっと やばいこともしてる。

それでも
初めてキスをする時のように、
全ての毛穴が開くように興奮する。




「ああ。雅紀。」

「翔ちゃん。」




何度も 何度も
唇の向きをかえ、
首の方向を傾げながら唇を何度も重ね直す。


「やばい。雅紀。止まんない。」


「翔ちゃん、翔ちゃん。好き。
キスだけで気持ちいい。
俺、どうにかなっちゃったみたい。」



名前を呼び合いながらも抱き合って
その気持ちよさをお互い訴える。



やばい。
本当に。

キスだけでやばい。


目の前のとろけそうな相葉さんの顔も。
甘い吐息も。
全部が全部俺をとろけさせる。



「雅紀。いい?」



このあとは雅紀はどうか知らないが、
俺は初めてだ。
男同士で 上手くいくかの自信もないが
もうこのままじゃ終われない。



「翔ちゃんとなら
どんなことでも。


たとえ 地獄に堕ちようとも。」


「上等。」


雅紀の手を取ってたち上がらせると
雅紀もにっこりと笑って俺の手をとる。



そして。
雅紀はにっこりと俺の手をひっぱって
自分の寝室へと俺を誘って(いざなって)いった。




⭐︎つづく⭐︎







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