「ご馳走様でした。」
「またくるねー。」


櫻井さんと、松本さんが、
それぞれ現金でお金を払って行ったあと、
バックヤードで、
ニノ、大野さん、俺の三人で話す。


「どうだった?」

バックヤードで、
ニノと大野さんの顔を伺う俺。


何がどうなのか、
あまりにも抽象的な問いに、
ニノが苦笑いする。


「どうって言われても。」

と言いつつも、
キーボードから手を離して、
しっかりと
俺の顔を見る。


「まずは、
櫻井翔。
あいつ、ただものじゃないよな。

ほんと、ただのお隣さん?
まぁくん?」



「ん、うん。」



ニノの問いかけに、
唇を少し歪ませて頷く。
そう、
ただのお隣さん。

俺がご飯を作りたくて、
ご飯を食べでもらいたくて
一緒にいたいだけ。

櫻井さんは、
そんな俺につきあって
ご飯を美味しそうに食べてくれるお隣さん。

ただ
それだけの関係だ。



「そう?」


不審そうに横目でちらりと俺を見るニノと、


「そうか。」


穏やかににっこりと笑う大野さん。
そして
大野さんは、ゆっくりと俺に言い聞かすように話し続ける。


「でもな。
まぁちゃん。

まぁちゃんの好きなようにすれば良いが、
ああいうタイプは苦労するぞ。


あいつは、あいつの信念っていうやつがある。

それを見極めて、
これからどう付き合うかだ。

これから一番大事なのは、
まぁちゃんは、何が大事で

まぁちゃんは、
何を選ぶのかってことだぞ。」

言い終わった時、
大野さんの顔は真顔だった。






⭐︎つづく⭐︎









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