昨夜書いた 初KO勝ち の

翔さんversionです。






お読みくださると幸いです。









うっわ。


4月異動の着任の挨拶の瞬間。

目があった瞬間、


体に衝撃が走り、

必死に取り繕うように、

いつもの笑顔を貼り付けた。




直属の課長の 相葉雅紀。


端正なルックス。

涼やかな瞳。

モデルのようなしなやかな肢体。



人に惚れるなんてしたことがなかった俺が、

見た瞬間、

胸がときめく。


これって、

この年にしてまさかの一目惚れ?


やばい。

完全なKO負け。




一目惚れなど信じない。

きっと気の迷いだろうと思い込もうとしたのに。





一緒に仕事をすれば

丁寧な仕事ぶり。

時間をかけての書類作成は、

誤字脱字などないどころか

相手への配慮に満ちている。

俺ら上司だけでなく、部下にも

そして、社内外の万人に

真摯に向かう爽やかな男。



それに惚れない奴がどこにいる。




「櫻井ぶちょー。」



よくわからない部下の女たちからの

アプローチ。

これ見よがしに、書類と一緒に

胸も押しつけてくるが、

ちらちらと、

その目は相葉に向けているのもわかる。



おいおい。


俺は、当て馬かい?



俺にちょっかいかけることで、

相葉を振り向かせようとしてんじゃねえよ。



大体、

決裁書類を持ってくるのは、

俺の直属の部下であるあいつのはず。


なんで、あいつがやってこない。



めんどくせえなと思いつつ、

当の相葉に目をくれれば、

あいつときたら、

かわいい部下のねぇちゃんに声かけられて

相好を崩してる。  



ほら、

そんなんだから、

お前

いろんなやつから、狙われるんだぞ。



みんなに優しいと思われるのもいいが、

そんなどっちつかずで、

どうするんだよ。





ほんと、目が離せないこと

甚だしい。





そんな俺のことなど置いて、

さっさと出張に出かけてしまった 相葉雅紀。



よくわからねぇけど、

いろんなことを話しかけてくる部下の女の子を、

適当にあしらって時間を過ごせば、

いらいらも募る。



くっそ。

どうしたものか。



部下の女の子から逃げるように、

あてもなく

廊下を歩けば、

出張から帰って

目の前から歩いてくる あいつ。





あ。



スイッチが入る。





もどかしくも、

はらはらと口説き口説かれの駆け引きこそが、

恋愛の醍醐味だと思ってたのに、



俺の体は、

何にも考えずに、

ひょいと あいつを 資料室に連れ込む。





あーあ。やっちまったよ。


そう思いながらも、

もう後にはひけない。

恋に堕ちた男のなれの果て。

頭の中の理性がやめろと、ストップをかけるが、

心の暴走のまま突っ走る。





「なぁ、相葉課長。

俺になんか用があるんじゃない?」




いや、違う。

お前に用があるのは、俺だ。


早く、その口で、

俺のことを好きって言え。

俺のものだと、告白しろ。




あからさまに目が泳ぐ相葉。

これは、脈あり?

それとも、まじで嫌われてる?



百戦錬磨の俺の恋愛レーダーが、

こいつの前だと完璧に狂う。

まじかよ。

好き?嫌い?

どっちなんだよ。


確率は二分の一。


いや、でも。しかし。


もしも。

嫌われていたとしても、

俺に堕として俺のものにすれば、

こっちの勝ち。


よくわからない理屈は

俺の暴走を加速させる。




「なぁ。相葉くん。

俺のこと嫌い?」




何を言ってんのか、自分でも理解できねぇ。

俺の口が勝手に動く。

それだけ、こいつを俺のものにしたい。

俺の頭の中のコンピューターまで、暴走を始める。





「嫌いじゃないです。」




ぶち。

完全にキレた。



その言葉だけで、もう十分。



お前は、俺のものだ。





「あ。ああんっ。」



いきなり抱きしめ、

濃厚なキス。


甘くせつない吐息に、

もう体は止まんない。

舌を絡め、

甘い唾液を味わい、

唇の細胞と細胞を溶け合わせれば、

もうそこは天国。

もっともっとと、あまい刺激があらゆるところから、相葉を欲しがる。



あ、やば。


ここ、会社だった。



ふと我に帰り、

唇を離せば、

目の前の相葉がずるずると壁にもたれかかりながら崩れ落ちる。



うっわ。かわいい。

まじか、これ。



涙ぐんだ相葉が両手で口を押さえながら

俺を愛おしそうに見つめる。






「相葉課長。

お前、俺のこと好きだろ?


今日から俺のものになれ。

部長命令だ。」




かっこつけて言ってはみたけど。




俺に堕ちたのは相葉かもしれないけど、

その相葉を見て、

俺もまた、完膚なきまでに恋に堕ちる。



俺の完璧なKO負け。



それでも、まだ

恋のゴングはなったばかりだ。










⭐︎おしまい⭐︎







初KO勝ち の 裏側。

翔さんversionでした。




コメントでも書いたけど

イメージは、

翔さんがTMD

相葉さんがFNSです。


ついでに、

椎名林檎さんとのっちさんのMVでいうと、

翔さんが、椎名林檎さん。

相葉くんが、のっち。


この曲、

椎名林檎さんが、ずっとのっちにラブコールしてて、のっちが逃げ回ってて、

とうとう のっち用に曲をかいて

追い詰めて歌ってもらった曲らしくて。


そんなイメージで書きました。




こちらもコメントを公開しますので


コメントいただけると嬉しいです!