「え?えっと?

一緒に寝るとは…?」



お、俺?

松本さんはなんも言ってなかったし、

契約も、そんなことなんもなかったですけど

もしかして、

そっちのほうで雇われた?



「あ、ごめん。

えっと、変な意味じゃなくて。」



櫻井さんが真っ赤になりながら説明を始める。



「俺さ。

この頃、気を張ってて、

外でも内でもちゃんとしてなくちゃって思ってて。


一応、潤もいて、

保志もいて、 

ニノも家にいてくれるけど、

俺がみんなを守らなくちゃじゃん。


お金を稼いで食べさせなくちゃいけないし

外のうるさい奴らになんのかんの言われるのは俺だけでいいから、

みんなにはなんも苦労なしに仕事しててもらいたいしさ。



だから、ちゃんと寝られなくて。


それがさ。

雅紀がいると、なんかすんなり寝られたのよ。

だから、

隣でねてくれないかなって。



そう。

そう添い寝。


ただ、

添い寝してもらいたいんだ。」



そうか。

さっき、松本さんも言ってたもんね。  

外から来たやつだから、

俺なんかが櫻井さんの癒しになるらしい。


言い方変だけど、

セラピードッグみたいなもんなんだろうな。

きっと。



「しかたないですね。 

いいですよ?櫻井さん。」



そう答えると、

櫻井さんが顔を顰める。



「雅紀。

ついでと言っちゃなんだけど、

その櫻井さんってのも、やめてくんない?  

 

俺さ。

せめて雅紀とは対等の関係でいたい。


雇い主とか、雇用人とかの関係じゃなくてさ、


そ、そう。

お互い、友達っていうか、平等な関係っつうか…」




あらあら。 

いつもの櫻井翔らしくなく、

しどろもどろ。


でも。



そんな櫻井さんの方が、

ずっとかわいくて、

人間的で素敵だ。





「じゃ、翔さん。」



「うーん。潤やニノが呼ぶみたいでやだ。

ちょっと、尊敬みとかはいってんじゃん。

じゃなくて、もっと

友達感があるのがいい。」



「うーん。じゃ、翔くん?」


あまりしっくりこないけど

呼び方を変えてみると、


「やだ。」



櫻井さんが、

子どもみたいに即答する、



「それじゃ、大野さんと一緒だからやだ。

あとさ。小学生みたいじゃん。


もっと、しっくりしたのない?」







ああ、ああ、

理屈にならない理屈。


可愛らしくって仕方ない。

ほんと

子どもみたいに 甘えたさんになってる。




「そんなわがままばっかりいうと、

もっとおこちゃま 扱いしますよ。


翔ちゃん


で、どうですか?」


 

「あ、それ。それいい。雅紀。」



ほんと

両手をあげてよろこぶのように、

翔ちゃんが、満面の笑みを浮かべる。




「うっわ。雅紀。

じゃ

翔ちゃんっていうからには、

俺のこと、プライベートでは、

タメ語で話せよ。

敬語一切使うなよ。



わかった?雅紀。」




まるで、お友達ごっこをするかのように

嬉しがる翔ちゃんの両手を取って、

えいやと立たせる。




「はい。はい。

わかった。わかったから、翔ちゃん。


もう今日は一緒に寝よ。


シャワー浴びるのは、

お互い明日の朝にしよ?」




「うん。雅紀。

そーする。」




翔ちゃんが、当たり前のように、

俺の手を握って、

寝室へと向かう。





その時。



かしゃ、かしゃかしゃ。



LEDの電気のはずなのに、

蛍光灯であるかのように、

電気が何度かまばたきをした。











⭐︎つづく⭐︎









コメントは非公開です。