「「「「いただきます」」」」
松本さんと、ニノと、櫻井翔氏と、俺。
四人の不思議な夕食が始まる。
ワインを嗜みながらの食事だけど、
でもよかった。
松本さんのお手製で。
見た目も栄養バランスもばっちりなような気がするし、
何よりも、
フルコースでディナーとか言われたら、
格の違いが、またみせつけられるところだった。
お里が知れるってわけじゃないけど、
生活のレベルが違うのを思い知らされるほど、
いやなものはない。
しかしね。
それにつけても、
隣に座って、
食事を頬張る櫻井翔氏の可愛らしいことよ。
この人、
本当に次期総理大臣とも言われて、
人気が高い あの パーフェクト超人 櫻井翔さんかね。
松本さんの食事を
「うめ」っと口の中いっぱいに放り込んでは、
上手く噛めずに、
口の中を膨らましたまま、
必死で咀嚼しようとする。
美味しくて目を見張るまんまるな瞳もあいまって、
頬袋をふくらます栗鼠さんのようだ。
かわいい…
あまりの可愛らしさに見惚れてると、
呆れた声で松本さんが、説明してくれる。
「相葉さん。
翔さん、かわいいだろ。
これが
この人の本性。
あんなにかっこつけてるけど、
実は不器用で、一生懸命で、
不恰好な人。」
「うるへ。」
櫻井さんは、
口の中にいっぱい食べ物を入れたまま、喋るから、
ちゃんと発音ができてない。
「ほんと、
オンとオフが激しいっていうか、なんというか。
保志と仕事をしてる時の堅物さんが、
嘘みたいだよねぇ。」
ニノも揶揄うように櫻井さんに声をかける。
「ニノまで、うっせえな。
なんかさ。
保志といると、あいつがアンドロイドなのもあるだろうけど、
俺も固くなっちゃうんだよ。
それに、このごろ政界にも顔出しちゃったから、
あの胡散臭いおじさんたちに渡り合うためには、
仮面つけてないと、やってられないんだよね。
だから、
ここみたいに、
俺が俺でいられるのも、すごくありがたい。」
そう言いながらも、櫻井さんのフォークとナイフは器用に食材を切り分けている。
ほんと、美味しそうにたべるなぁ。
ほれぼれしちゃう。
「相葉さん?
こんな人だけど、よろしくね。」
ニノが、
おかしそうに俺に話しかける。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
ほんと、こんな可愛らしい人だから、
松本さんや大野さん、二宮さんが、
この人と一緒に仕事がしたいとおもうんだろうな。
櫻井さんのことが羨ましくなったのと、
もっともっと櫻井さんのことが知りたくなった。
⭐︎つづく⭐︎
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