「え?あれ、何?」



ニノが俺の方をみて、ゆっくり目を合わした後、


一緒にいた えなりくん、阿部くん、さっくんの

顔を見る。




「ああ。

目黒。外部生だったな。


また、

櫻井先輩のファンが増えたか。」


さっくんが、諦め顔。


「ふぇ?なにそれ?」


思わず聞き返すと、

阿部ちゃんがにこにこしながら、

答えてくれる。




「僕もだけどさ。

櫻井先輩、あんな人でしょ。


勉強はそんなばりばりしてる風には見えないけど、

結構地頭よくて、

それで、周りの人思いで、

兄貴肌。


同級生の あの 上田先輩でさえ、

『兄貴』って慕ってるくらいだしさ。


ファンが多いんだよねぇ。」



「そうそう。」

えなりくんも頷いて、

話し出す。



「櫻井先輩、 

先生からも上の先輩たちとも仲良いしさ。

すごい人だよね。」




はぁぁ。

そうなんだ。


ふぅ。


なんかすごい人すぎてため息が出る。




「大丈夫だよ。櫻井くん。

僕たちは、櫻井先輩の弟だからってわけで、

君を選んだわけじゃないから。」


えなりくんが、話し出す。



「そうそう。

あの『林誠司』も、

櫻井くんの話なら聞いてくれそうだしさ。


みんな櫻井くんの話なら、

外部生も内部生も聞いてくれそうじゃん。


俺たちは、

櫻井雅紀くんっていう人柄で、

自分の意思で選んでる。


自信持って、俺たちが応援するから。」


 

さっくんが、

なんにも言いようのない とびっきりの明るい笑顔で、

僕にそう言い切ると、

次の時間のチャイムがなった。






⭐︎つづく⭐︎









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