随分と時間があきました。
かける時には書いておこうかなと。

不定期掲載。
気まぐれですが、
申し訳ありません。

  
前の話はこれ。





もしよろしければお読みください。







「うぁーん。

ニノーっ。」



休み時間になった途端に、

ニノに泣きつきにいく。




「よしよし。

まぁくん。


よく頑張りました。」



ニノに抱きついた僕を、

よしよしと、

頭を撫でるニノは、

さすが、僕のことがわかってる。




ほんと、僕。

こういうの苦手なのに。



人前でお話しするのとか、

前に立ってみんなの意見を調整するのとか。



大体、僕はみんなって、

ちゃんと考えててすごいなぁって、

いつもぼうっとしてるタイプなのに。



なんで、こうなっちゃったんだろうっ。




「僕、僕むりだよぉぉ。」



ぎゅうっとニノに抱きついている僕のところに、

えなりくんがやってくる。




「櫻井くんっ。

学級委員おめでとうっ。

櫻井くんならきっとできるよ。」



肩を組みながらやってきた阿部くんと、さっくんも、

「うん。櫻井くんなら、僕も安心。」


「きっと雅紀くんなら、できるって!」


にこにこと声をかけてくれるけど。



うう。

それは、

翔ちゃんのことは知ってても、

僕のこと知らないから。

僕と翔ちゃんは、血が繋がってないから、

あんなにかっこよくないんだよぉ。


そう説明したいけど、

昨日、みんなに言っちゃダメって言われてるから、

何にも言えない。



松本先生は、

次の時間の準備と、

委員が決まったことの報告に

すぐに職員室に戻って行った。




ほんと、どうしよう。


現状がわかってるのはニノだけ。

困っていると、



つかつかと

目黒くんがやってくる。




「あの。

櫻井くんって、ほんとにあの櫻井先輩の、

弟なんですか?」



「うっ。そうだけど。

それがどうかした?」


放たれた言葉が矢のように尖ってて、

僕の胸に突き刺さる。



「それにしては、

似てないなって。」




「だって…


翔ちゃんがすごすぎるんだよ。

僕は僕だし。

似てないって言われても、

僕にはどうしようもないし。」



血のつながっている兄弟だって、

いろいろな人がいる。

似てない人だって多いし、

全然性格が違う人もいる。


柔道の阿部兄妹みたいに、

同じフィールドですごい結果を出してる人だっているけど、

オコエ兄妹みたいに、

野球とバスケみたいに違うフィールドでかっこいい兄妹だっているもん。



少し涙目になりながら、

睨み返してみると、



「ま、そうかもしれませんね。

わかりました。


僕は僕で、櫻井先輩を追いかけますんで。

雅紀くんは弟としてあの人の足を引っ張らないように

頑張ってくださいね。


では、よろしく。」



颯爽とお辞儀をして去って行った。









⭐︎つづく⭐︎









コメントは非公開です。