ひっ。ひえぇぇぇぇ。



「無理。無理です。


僕、そういうのやったことないですっ。」



まるで、

声がお腹の中でひっくり返ったような変な声が出る。

僕の声じゃないみたいだけど、

でも、ちゃんと言うことは言わなくちゃ。





「櫻井くん。どうする?」


えなりくんが、

横で心配そうに見てくれてるし、



ニノは、僕の方をみて、

「大丈夫?」と、目で問いかける。



でも

入学式の日に友達になったばかりの

小峠くんや、高知くんは、

キラキラしてる目で僕を見てるし、



「天使ちゃ…

いや、櫻井くんならいけるんじゃないの?」



流星くんも、嬉しそうにしてる。




「殿、櫻井くんならやってくれるかとは思いますが、殿はどう思われますか?」



山田くんの松本先生への問いかけに、



「おい。その殿ってのはやめろ。」


と、苦笑いしながら松本先生は話し続ける。




「俺にはわからないが、

阿部が相当しっかりしてそうだから、

一つの経験として、

櫻井がやってみるのもいいんじゃないかな?


後期になったら委員が変わる。

また、

このクラスの中から、

学校を運営するものとして生徒会に立候補するものも出てくることだろう。


やる気があるんだったら、

やってみてもと思うが、

どうする?


櫻井くん?」




松本先生が、僕に問いかけると、

「できるよ。」

「櫻井くんから、僕たち絶対協力する。」

「話しかけやすいから、櫻井くんがいいな。」

「みんなで頑張ろうよ。」

「阿部ちゃんを助けてあげてよ。」


周りの佐久間くんや、佐藤勝利くん、

えなりくんや、高木雄也くんが、

僕を力づけてくれて、後に引けなくなってきちゃった。




「あ、あのぉ。」



口を開いた瞬間。



浮所くんが、

「あ、櫻井くんがやってくれるみたいです!」




いきなり、

松本先生に大声で宣言して、




わぁぁぁぁぁ。



みんなの拍手と歓声の中、

僕が副級長になることが決まっていった。








⭐︎つづく⭐︎








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