「あ。やぁん。
いたぁぁい。」


ずきゅん。

雅紀の嬌声が俺の下半身をぶち抜く。



くっそ。
理性よ。本能を抑えろ。


頭のなかの抵抗も虚しく
俺の体は本能が荒れ狂う。



あのな。
雅紀。

お前も男ならば わかるだろうが。

男は、下半身で衝動的に生きる動物なんだ。
この野性や荒々しさ、
相手を屈服させ征服しようとする独占欲。


この厄介な 男性ホルモンの一種のテストステロンってやつ。
こいつが、標準装備されてるのが男性なんだ。


お前も そこをわかってくれよ。


泣きたくなるのが本当だが、
スイッチが入ってしまった本能は止まらない。


雅紀の尻を ウエットティッシュで優しく拭き取りながら、
言葉を放つ。


「お前な。
こんなとこ 怪我して
軽々しく 他のやつに見せてんじゃねぇよ。」



「あ。ひゃぁ。」

尻のあざを避けるようにして、
二つの丘の合間を指でなぞる。



「あ。ああんっ。」


声の質が甘く変わる。


そこの谷の最終地点。


それは俺の欲望の塊をぶち込みたいという秘密の園でしか
他ならない。



「ここは大丈夫なのか。」


「あ。ああ。
だめ。
そこは痛くないけど。
大丈夫じゃない。」




正解。

その通りだ。


「どう大丈夫じゃないの?」



「そこ、そこはだめなの。
恥ずかしいし くすぐったいぃ。」



くすぐったいんじゃないんだよ。

それはお前の感じるところだ。
そう言いたいのを 
ごくり と 飲み込んで、


「そうか。
じゃ、やめてやる。」



「あ。ああ。」



名残惜しそうな、
ほっとして欲しそうな うめき。



もっとしてやりたいのは やまやまだが、
この尻の青あざが俺を冷静に戻す。


この美味しそうな体を食べ尽くすなら
これが 綺麗になって 
痛みも取れてからだろう。

そうしないと。
雅紀も俺も
甘美な行為に溺れられないしな。



ごくり。

もっと。色々してやりたいのはやまやまだが、
これが 限界か。



「ほら、
もういいだろ。

しっかり拭いてやったぞ。

あとは、
自分で拭けるだろ。」



一応 雅紀の来てきたスエットを
体の上に放り投げて、
くるりと後ろを向いてやると。



「やだ。」

後ろを向いた俺の手首を雅紀が引っ張る。



「え?」


振り向くと。



「もっとちゃんと拭いて。」


お尻が痛いだろうに、
足を軽く曲げてベッドの上に座り
ミケランジェロの絵画のように
手を差し伸べながらも
しなやかな筋肉をまとって俺に見せつける雅紀がいた。












⭐︎つづく⭐︎









最後の ミケランジェロの絵画は、
「アダムの創造」という 結構有名な絵画を
イメージしてます。



気になる人は こちらへ。








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