結局。


半グレ集団は、
警察によって全容が解明。
全ての関わったやつは、
逮捕された。


かわいそうに
薬漬けになったあの高校の番長たちは、
病院に入院となり、
薬を抜くこととなった。



あいつらも被害者だったけど、
こいつらも被害者だよなぁ。



俺は、
俺の授業を大人しく受ける 
風間、松本、横山、村上を
教科書を読み上げながら、
遠目で見る。




風間は、
ニノにその頭の回転を認められ、
すでに 組で修行中。
俺らとおんなじで
このあと、大学に進みながら、
経営の勉強をすることになるらしい。




そして、
落とし前をつけろと、
大野さんに、睨みを効かされた
松本と、村上と、横山の三人。



体で払えとばかりに、
村上と横山は、
ニノのカフェで、無給で働かさせられている。


雅紀が店に出なくなってから、
売り上げが落ちていた店は、
この二人が入ったおかげで、
売り上げV字回復。


雅紀みたいに、
可愛らしさや、いろんな表情の七変化はないが、
同じように細やかな配慮と、
いたれりつくせりのサービス精神。

それに何より、
二人の漫才かのようなユーモアがあふれたかけあいが、癒されるらしく、
疲れた女の子たちがおしかけているらしい。



そして、
残された松本は、
その美形を活かして、
ニノの店で働かされるのかと思いきや、


大野組長が、
松本を気に入ったからと、
ニノの店に逃げることもできずに
放課後はうちの組の事務所で監禁という名の
勉強中。


しかし、
常にその背後は狙われている。

(背後っていうか、
ピンポイントであそこね?)



 
うちの組に
専属弁護士が欲しいからと、
進路変更をさせられて、
法学部に行くために勉強しているのだが、




「俺が色々おしえてやるよ♡」
と、組長が組長室に呼び込もうとするのを、
ニノが、
「貴方には勉強は無理でしょ。
私が、風間と一緒に面倒見ますから。」と、
目を光らせている状態だ。



そして、
俺と雅紀は相変わらず。


授業が終わって、
社会科教科準備室にもどれば、
「おかえりー♡」


雅紀がそこに座って待っている。



「雅紀。学校来たの?」

「うん。翔ちゃんの顔見たくて、来た♡」


「もう。
あんなにいっぱいして、
ほにゃほにゃになってたから、
来られないかと思ったのに。」


雅紀の尻を優しく抱きしめるように、
腰に手を回せば、


「あん♡
でもぉ。翔ちゃんの顔、見たかったんだもん。」


ちゅ。
雅紀が俺の頬に音を立ててキスをする。




「じゃ、授業行ってくるね。」


「おう、行ってこい。
頑張ってこいよー。」


手を振れば、
にこにこと雅紀が手を振り返し、
両方のポケットに手を入れた瞬間。



肩で風切って、
少し顎を突き出して歩く
いつもの不良姿にモードがチェンジする。



ほんと、かわいいな。
俺の雅紀は。



そう思ってたら
俺もでろでろと顔が崩れまくってて、
教師の顔じゃないことに気がつく。



ぱんっばんっ。

両手で緩みまくった頬を叩いて気合いを入れる。




よし。
俺も、何も知らない高校生に、
社会の『倫理』とやらを、教えてやらなくちゃな。


社会の冷たさ。やるせなさ。
大人のずるさ。残虐さ。
社会は、金と欲望と、
自己中心的な思惑に渦巻いてるが、
その中で生き抜くために必要なのは、
大事なものを守ること。
他人に迷惑がかからぬよう愛しているものを守り抜くことだ。




倫理の教科書を抱え直すと、
俺はチョークをもって、
教室に向かっていった。











⭐︎おしまい⭐︎









1♡DK を読んでくださり
ありがとうございました。

わちゃわちゃ学園?ストーリー。

どうにか終わらせていただきました。




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あとがきは後ほど。



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