本日より、

櫻井翔様のお誕生日話を

お送りさせていただきます。


1月25日に終了予定。


そして、

1日に一つずつ

なにかをしかけていこうかと。



どうなるかわかりませんが、

お付き合いいただけると嬉しいです。




​お嬢様はアホでいらっしゃいますかの巻







「あ〜あ。よく寝た。



ん。はう?」



ホテル仕様のキングサイズのベッドから

身を起こすと、



そこは、

すでに修羅場だった。



ベッドと煙草と必要なものしか置いてない

まるでホテルのような部屋。



俺の事務所の上の寝室は、

はっきりいって、

そういうことをするためだけの場所だ。






食事やら、

仕事やらは、

あとは下の事務所で取るから、

ここには

そういう生活感のあるものは全くないし、



警察崩れの探偵なんて、

着る服だって、

そう大したものはない。



シャツ、スリーピースのスーツ、

その他もろもろ全てを

黒づくめにしておけば、

ちょっとやそっとの

返り血もどうにか目立たないってものだ。




そういう俺の「ねどこ」に連れ込むってことは、

どういうことだかわかってんだろうが、

ここに来たいと願う女はひっきりなしだ。



今日だって、

この街のいきずりのお姉さんと、

いい感じで、さっき済ませたばっかりなのに、


うとうとして、

ふと気がついたら、

しっかり修羅場。




名前も知らないお姉さんにつかみかかってんのは、

この前の依頼人。

「麗子」とか言ったっけ。

とある財閥のお嬢様。



そこの家から盗まれた宝石を盗んだ犯人を探すとかで、

執事となって潜入して

問題を解決してやったら、

莫大な成功報酬くれただけじゃなく、


「これじゃ、お礼が足りませんわ」とか何か言って、

俺にしなだれかかってきたから、

しっかりと

もう一つのお礼をいただいたってだけだ。


え、お礼が

なにかって?


そりゃ、大人ならわかるだろ?

言わぬが花ってやつよ。



それで、

そのお嬢様になんどかせがまれて、

遊んであげたら、

こういうことになっちゃったわけ。







「ねぇ、影山。

あの人はだれなの?」



麗子お嬢様が

裸の俺につかみかかるように質問する。



俺は

薄っぺらいバスローブを裸にまといながら、

あくびをする。



「はぁぁ。

しらねぇ。

わかんねぇわ。

名前も聞かなかったし。


それにさ。


お嬢様。



『失礼だとは存じますが、

お嬢様はアホでいらっしゃいますか?』」



髪の毛をかきあげて、

まじな顔で覗き込んでやれば、




麗子お嬢様の顔が、

真っ青になる。



「な、な、なに!

影山っ。

あなたなんて、クビよ。クビっ。」



青くなった後、

真っ赤になって叫びまくるお嬢様。



まるで、

信号の色のようでわかりやすい。




勘違いお嬢様にしっかりと説明してやる。




「私は、櫻井。 櫻井翔。

探偵です。


もう、

あなたの執事の影山ではございません。


すでに、

影山としての契約は切れておりますから、

クビというのもおかしいですし。

いまは、

お互い自由意志のもとの恋愛であったかと存じておりますが、

いかがですか?

お嬢様。」



めんどくさいから、

執事の影山だった時の口調で、

説明してやると、



お嬢様が俺を睨みつける。



「え、あ、

そう、そうだったとしても、

この女はなんなのよ。


この女は。


私というものがあるっていうのに。」


非常にプライドの高い女性らしくお叫びになるお嬢様に、

冷静にお答えする。



「だから、自由意志って言いましたよね。

俺が誰と寝ようとも、

あなたには関係な…」




言いかけた途端、

ぼふっ。


枕が飛んできて、

口を塞がれる。




「もういいわ。

影山。


あなたなんて、知らないっ。


探偵のあなたに、

依頼があってやってきたのにっ。


もう、いいわ。


私一人で探すからっ。」




お嬢様が、

地味な黒いスーツにピンヒールで、

背中を怒らせて

ぷんぷんと怒りながら、

俺の部屋を出て行った。










⭐︎つづく⭐︎












えっと。

その。



趣向ものですが、

ごめんなさい。


私の趣味で

櫻井探偵。

クズ男です。







広い心で読んでくださると嬉しいです。





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