「えっと、俺さ。
ひとまず、
大学に行くことは、自分の意思なのよ。

それはさ。
了解してくれる?」


「わかった。」


こいつが、こんな回りくどいこと言ってる時は、
何か裏がある。
ちゃんと、本音をゆっくりと聞き出さなくちゃいけないな。


「一応さ。
俺ら
貴方やら、
父さんやらの脛齧りじゃん。

だから、
恩返し。
特に、貴方の恩返しがしたいのね。

それもわかってくれる?」


にっこりと微笑むけど、


こわい。

いや、なんかこわい。


四郎の笑顔が、
ぞくぞくとおれの背中に寒気を呼び寄せる。

そう、まるで、
雪女の笑顔で、
俺を凍りつけるかのようだ。

うーん。
なんか、
これ以上聞かない方がいい気がしてきた。



「いや、恩返しとかはいいから。

お前のやりたいことってなんなんだよ?

経営学部だろ? 
二郎のように公認会計士ってわけじゃなさそうだよな?」


二郎は、
俺のマネージメントをすでにやってくれてるから、
それも兼ねての会計学を勉強してる。
すでに、税理士資格もとり、
もうすぐ公認会計士にもなれる。
何年か、会計事務所で働いたら、
うちで事務所を開くことも可能だろう。

でも、
どうもそれと同じじゃなさそうだ。


「ふふ。
俺ね。お金大好きなの。 
だからね。
ある程度、お金を稼ぐ方法はなんとなく習得したの。」   

なんか、二郎が株とかFXとかがどうのこうのとか言ってたな?
それじゃないのか?こいつの目的は。


「それで、何やりたいんだよ。
金もある。
頭もある。
俺たち家族の理解もある。

だったら、なんでもやりたいことできんじゃねえか。」


冷たく言い放ってやれば、
にっこりと笑顔で四郎が言い放つ。



「俺ね。
ひとまずは大学で勉強したいけど、
ゆくゆくは、
ゲーム会社作りたいの。、

大学は金儲けと、金を同動かすかと、
人脈作りのために行く。
ゆくゆくは、ゲームやるだけじゃなくて、
eSports支援したり、
Vtuberやったり、
ゲームや、ネットを通してのエンターテイメント事業を作りたいのね。

そのなかで、
ゲームソフトも、制作したいから、
その時のキャラクターデザインは、
そこのイラストレーターの舞賀一郎さんにお願いしようかなぁって。

ね?
可愛い弟の頼み、よろしく。」



ぎゅ。
四郎が俺に甘えるようにしがみつく。




ああ、ああ、
聞かなきゃよかった。


四郎の、あまりに大きな野望に頭を抱えた。








⭐︎つづく⭐︎









コメントは非公開です。