「くふふ。

すごいね。翔ちゃん。

今日の満月。


オレンジで、ぴかぴかしてて、

きらきらだよぉ。」



きりりと寒い冬の月。

真上をみあげると、

まんまるの月。  



11月の満月だ。




「ああ、Beaver Moonだな。雅紀。」



翔ちゃんは、

相変わらずきりりとした顔で、

こともなげに呟く。


おんなじ部屋で、

おんなじ場所で、

暮らしているのに、

全く違う。


おんなじものを見てるのにね。


なんだか不思議。


部屋のベランダからちょっと窓を開けて、

翔ちゃんの腕に、

俺の腕を絡めるようにして、

二人で顔を寄せて、

同じ月を見てるのに、

なんか感じるものがちがう。




「なんかさ。

でも、Beaver Moonって、

なんか変じゃない?」




「ま、ネイティブ・アメリカンの言葉で、

Beaverが巣作りする時期の月っていうことで、

名前をつけたらしいけど、

しっくりはしないよな。


日本的には、

Frost Moonって言った方がしっくりくるか。」




えっと?


「どういう意味?

ふろすとむーんって?」



「Frostは、霜。

だから、Frost Moon は霜月だ。

面白いよな。」



んん?

何が面白いんだろ?



きょとんとしてる俺に

翔ちゃんが説明してくれる。



「霜月って、

11月の旧名。

ほら10月を神無月、

12月を師走、

っていうだろ?


あれとおんなじだ。」



んー。

今ひとつ覚えてないんだよね。

そういう難しいこと。


でも、

翔ちゃんのいう通りかも。



「そうだね。

日本の呼び名と、アメリカの呼び名がおんなじになるのも不思議。」





ひゅるると

初冬の風は、

冷たく肌を刺すようだ。



思わず、翔ちゃんの腕に体を巻き付けるようにすると、




「ん。俺も不思議だ。

こうやって雅紀とおんなじ月をみて

話すことができるんだものな。


同じものを見ても、

違う感じ方ができて、

そして、

違う楽しみ方ができるって、

すごいことだよ。


ずっと、雅紀は、

それを教えてくれるんだ。


ほんと、ありがとな。」



ちゅ。

翔ちゃんが、俺を優しく包み込むようにキスをくれる。



「くふふ。

それはこちらこそだよ。


いつも、いろんなこと教えてくれて

ありがと♡」



ちゅ。



俺も翔ちゃんの頬にキスを落とすと、



「さ。

体冷えちゃうから、

一緒にお風呂に入ってあったまろ。」



翔ちゃんを、ぎゅっとしながら、

お風呂にむかう。




真冬の空には、相変わらず

綺麗に光る霜月。


ほんと、霜が降りたように

ぴかぴかしてて神秘的。




俺たちが歩く方向に当たり前のようについてくる月にウインクして、

これからのいちゃいちゃを覗き見されないように、

カーテンを閉めた。









⭐︎おしまい⭐︎






あまりに綺麗な月だったので、

さらっと書きました。




久しぶりに

普通の二人。

優しくって少しバカの

お二人です。




ちがうから

愛おしい。

ちがうから、

同じを見つけた時

幸せになれる。


そんな二人が素敵です。






読んでくださり

ありがとうございます。





コメントは非公開です。









PS 

ちょっと呟いてみるけど。


あれで公開停止喰らうようなら、

これから、

どうなるんでしょ。私。



あれ以上、やばいのは

確実なので

お蔵入りの憂き目か。





全部アメンバー限定に

なったらごめんね。