「どう?調子は?」
何日か経ったあと、
またニノのDKカフェに様子を見に行く。
て、いうか。
しのぎをきちんと確認しに行くのは、
俺ら組員の仕事だ。
ニノは組のものだから、
ピンハネするわきゃないが、
一緒に仕事するスタッフに、
手癖が悪いやつや、
性根が悪いやつがいないとは限らない。
それに、
ニノの仕事のマニュアルを盗んで、
男の子たちも引き抜いて、
新しいショバで、
仕事を始めるふてぇやつもいる。
そいつを締めるのも俺の仕事だ。
「ふふ。化けたよ。あれ。
見て?」
ニノが指差す方には、
可愛らしい制服を着たそいつ。
黒い丸襟のジャケット。
白いシャツに、
黒いベロアのリボンタイ。
黒いスラックスは、細い足にフィットして、
とても似合ってる。
俺と会ったときには、
バーカに隠されて、
暗いヤンキーにしか見えなかったミルクティー色の髪は、
さらさらと靡いて、
可愛らしい男子高校生にしか見えない。
「お客様。
何になさいますか?」
その姿で
にっこりと笑って、
客の接待を行なうすがたは、
少し初々しいが、
それも魅力として映るだろう。
「やべえな。あいつ。
どうして、
あんな、変わったんだ?」
ニノに、囁けば、
「あの子。
腹決めたら強いよ。
努力するってことを知ってる。
やらなくちゃいけないことを
誠意を持ってやるってことをわかってる。
それにね。
実はこっちの素質もあったんじゃないかなぁ?」
確かに。
にこにこと笑って、
客をあしらう姿は、
おんな暗い目つきだったのが嘘のようだ。
「ま、俺がノウハウを教え込んだのも
あるんだけどね。
俺が、接待したら、
どんな客も 俺の意のままに操れるからねぇ。」
見事なウィンク。
知ってますよ。
あなたの頭脳と、
あなたのあざとさには、
誰も勝てませんって。
それに、
今のあなたは、
誰かのおかげで
色気まで兼ね備えてますからね。
誰も敵いませんって。
「で、どうすんの?
あいつ。
どういう方向で、
サービスさせるのよ。」
「うーん。
それ悩んでるんだよね。
翔ちゃん。
協力してくれる?」
ニノが、俺に手を合わせた。
⭐︎つづく⭐︎
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