やばい。
さっきからこの言葉しか、
おもいうかばない。
黒い靄は校舎をすでに覆っている。
それは、すべて、
俺を追いかけている生徒。
つまり、放課後
この校舎に残っている人、
全員から発している。
生徒だけではない。
先生も混ざっているんだ。
ばたん。
屋上のドアを開け、
慌てて閉める。
がちゃがちゃ、
必死で屋上の方から、鍵をかけ、
少しでもあいつらから、
逃げようと屋上の奥の方へいそぐ。
「和に電話して、助けを呼ばなきゃ。」
スマホを飛び出そうとして、
ふっと スマホを見ると、
俺のスマホまで、
黒い妖気を発している。
「まじかよ。」
これ、
起動した瞬間、
こいつに取り憑かれるかも。
慌てて、スマホを見ないようにして、
尻のポケットに突っ込んで、
そして、
ダメ元で
念を送ってみる。
…和。やばい。
大野さんと助けに来て…
俺たちは、兄弟という形で、
現世にいるから、
念は繋がりやすいはずなんだが、
返事はない。
やはりこいつか。
この学校を取り巻く靄。
魍魎(もうりょう)
そして、
魑魅(ちみ)をやっつけた時に、
霧散した靄。
櫻井さんが言ってたように、
きっと、
魍魎も魑魅も、
この黒いこいつらが、
取り憑いたものにすぎない。
妖魔に取り憑いて悪さをしたり、
山の地下水を取り込んで実体化したり、
外見を変えているに違いない。
さっきは、
どうにか、黄泉の世界の住人に取り憑いて、
実体化するのを防いだけど、
今度はこいつらを操って自分の力を増大化させてるんだ。
でも。
魑魅や魍魎は、
人間には取り憑かない。
人間には闇もあるけど、
その中の前向きな気力、
未来への希望
周りの仲間との信頼
その力は、輝く気力となって、
こいつらは 好まない。
じゃ、こいつらの狙いは…
番(つがい)も持ってない
はぐれ妖獣の俺か…?
それに気がついた時。
がちゃり。
先生が職員室から、
鍵を持ってきたのだろう。
屋上のドアが開き、
皆がスマホをかざしながら、
押し寄せてきた。
⭐︎つづく⭐︎
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