舌が合うっていうのか、
好きな味が一緒だっていうのは、
一緒に時間を過ごしたり、
仲を深めたりするのに
とても有効であるらしい。
とんとんとん。
今日も、
台所に立って料理をする。
翔ちゃんは、
俺が料理をする音も、
とても好きみたいで
作曲の仕事も進むって言ってくれた。
そして、
俺の料理も
かなり気に入ってくれたみたいで、
最初は、
昼だけだった食事も、
夜も食事を作るのが、
俺の仕事になった。
出勤の時間も遅くなって、
11時から
19時まで。
俺も一人暮らしだったから、
ちょうどいいし。
何より、
翔ちゃんが、
俺の作るご飯を楽しみにしてるのが嬉しくて、
キッチンに立つのが嬉しくなっちゃう。
今日も、包丁で、
オムライスの玉ねぎとにんじん、ピーマンをみじん切り。
あまりにも嬉しくて、
自然に
🎵 ベイビ ドゥー ユー ノミ
やることやるさ
ないすな こころいきー🎵
なんて、どっかのアイドルが歌ってた歌なんぞ、
口ずさんじゃう。
「できましたよー。翔ちゃーん。」
一声、翔ちゃんを呼べば、
「はーい。雅紀。
今日は、なにー?」
まるで子どものように
翔ちゃんがやってきた。
…
「いただきまーす!」
もぐもぐ。
もぐもぐ。
「うめ。うまっ。」
必死にお皿に顔をくっつけるように、
オムライスを頬張る翔ちゃんは、
まるで
お口の中にどんぐりをいっぱい詰め込んだ栗鼠さんみたい。
あまりに可愛くて、
先に食べ終わった俺は、
頬杖ついて、翔ちゃんの顔を見てる。
「ああっ。食ったー。
ご馳走様でしたぁ。」
あ、良かった。
野菜を少しでも取ってもらおうと、
いっぱい野菜のみじん切りを入れたご飯も、
いっぱい食べてくれた。
ほんと、嬉しい。
「お粗末さまでした。」
俺も手を合わせると、
「なぁ、雅紀。」
翔ちゃんが、真面目な顔になる。
「俺さ。すごく好きだ。 」
ふえ?
翔ちゃん。
何を一体言い出すの?
俺の顔が真っ赤になる。
まさか、まさかね。
俺のことのはずないよね?
「あ
オムライスのこと。
うん。
それなら、
また作るね。」
一瞬の勘違いが恥ずかしくなって、
お皿を片付けようとテーブルの上に手を乗せれば、
「違う。」
ぎゅ。
翔ちゃんが俺の手を、
両手で握る。
え?
ええ?
「それって?」
翔ちゃんの顔を真っ赤になりながら見ると、
翔ちゃんは至って真面目な顔のまま、俺に語りかかる。
「なぁ。雅紀。
俺、声だけじゃなくて、
雅紀の歌も好きなんだ。
俺と組んで、曲出してみないか。」
いきなり翔ちゃんが言い出した。
⭐︎つづく⭐︎
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