エレベーターから降りた瞬間。
翔くんが俺の手をそっと離す。
さっきまで、
二人の秘密を共有していたような手が離されて、
妙に右手が手持ち無沙汰になって、
体のどこにおけばいいのかわからなくなる。
部屋の前までつくと、
「雅紀。
お前はここで待ってろ。
みんなの前だと言いにくいだろ?」
翔くんが俺に言い放つ。
確かに。
こくんと頷いて、
部屋の前で待ってると、
ばたん。
入ったかと思った瞬間。
冷静で顔の表情をあまり崩さない翔くんが、
思いっきり、焦った顔で
部屋から飛び出してくる。
「ど、どしたの?
翔くんっ?」
俺もその顔に、
動揺して、
慌てて聞くと、
「大野さんとニノが、
あの部屋、二人で使うわって持ってたらしい。」
「え?ええっ!」
びっくりした俺は、すごい大声を上げてしまったらしい。
「こら、ここはホテルだ。
静かにしろ。」
翔くんに掌で口を抑えられた。
⭐︎つづく⭐︎