「じゃ。解散。
またな。」
紅の一声で、
事務所を5人は散り散りに思い思いの場所に去っていく。
「じゃな。」
当たり前のように暗闇に溶け込んでいく4人に
残された俺。
「あーあ。
全く。
みんな。さっさと帰りやがって。、
俺だけ、
今日も一人、この事務者にとり残されんのかよ。」
誰に聞かせるつもりもなく、
一声叫ぶと、
ごろんとソファに横になる。
しかたないけどな。
俺の家も仕事場も、
紅に与えられたこの場所しかない。
人との付き合いも、
事務所の4人だけだ。
小さな世界の中の俺。
あいつと違って、
その世界の中だけしか生きないと決めたのは、
他でもない俺。
ソファで仰向けになって、
目を軽く瞑る。
「一人にしないよ。」
え。
ソファに横になった俺の上から声。
「蒼?」
「ふふ。正解。」
蒼の顔が俺の上から覗き込む。
「だって、さっき帰ったんじゃ…。」
言いかけた言葉は、
また、蒼の唇で塞がれる。
あふ。
はん。
くん。
いつのまにか、
蒼は、俺の上に覆い被さっていて。
堅い筋肉質な体が、俺の上に乗っている。
はぅ。
あ。
くふぅ。
重力に逆らえず、
どんどん蒼の重みを感じていく体は、
ソファに沈み込んで動けなくなり、
ただ、
蒼の舌が、
俺の口の中を遊ぶように動き回すのを、
享受するだけになる。
あ。
やば。
そこ。
口の中も感じるんだぁ。
だめ。
そこ。くちゅくちゅされると。
気持ちよさに反り返る頭と。
そして、
反動で押しつけられる下半身と。
感じていることがバレないようにしたいのに、
俺の下半身は、
俺の意思とは正反対に、
俺の火照りを蒼に押しつける。
「珀は、可愛いな。
今日。初めてキスしたんだろ?
なのに。これか。」
蒼は俺の火照りをゆっくりと指でなぞると、
俺を抱き上げて、
ソファにもたれかけさせた。
⭐︎つづく⭐︎