「だからな。まぁ。
大野さんの、全てをきちんと引き出せるようにライトを当てないと。
あの人は、
歌うだけ、踊るだけで、
まるで宝石のようなんだ。
その光をお前のライトで台無しにするな。」
うう。
一生懸命やってるつもりなのに。
やっぱり、
僕はセンスがないのかな。
涙目になってきた僕に、
松本さんは優しく語りかける。
「あのな。まぁ。」
「はい。」
涙目で下から松本さんを見上げる。
「俺は、まぁのことは、素晴らしいスタッフだと思ってる。」
ぐすん。
慰めはいらないもん。
どんなことしたって、
松本さんの要求するレベルのことはできない。
褒めてもらったことさえないもん。
僕には才能がないことぐらいわかってる。
そんな僕の気持ちなど、
気がつかないで、
松本さんが優しく語りかける。
「あのな。
まぁ。
俺はまぁは一生を共にするパートナーだと思ってるんだ。
まぁなら、
俺をわかってくれる。
まぁの才能なら、俺と一緒に歩ける。
本当にそうおもってるんだ。
わかる?」
ぷるぷるぷる。
首を横に振る。
「僕なんて
松本さんの才能を理解することなんて、
多分一生できないんです。」
涙目になりながら、
訴える。
「うーん。
そういうことじゃないんだよ。
俺はまぁとだったら、一緒に歩ける。
俺のことを理解してもらいつつ、
俺を支えてもらえると思ってるんだけど?」
そんなこと言われても。
僕は、
松本さんの要求なんか、
わからない。
「僕じゃ無理なんです。
すみません。
がんぱってはいるんですけど。」
しゅん。
項垂れる僕。
そして、
なぜか僕を怒っていたはずの松本さんまで哀しそうな顔になる。
「ああ。
今日もわかってくれなかったか。
ま、いいや。
いつか、本当にわかってくれる日まで、
待つよ。」
松本さんが目を細めて、
俺の頭をいいこいいこするように、
優しく撫でた。
⭐︎つづく⭐︎