ウィル&デーモン
閑人
「どうした木偶の坊。怖い顔してに突っ立って、邪魔だ。どいてくれ」
鍛冶屋の青年がドアの前に立つ大男に話しかける。
「…………」
大男が黙っていると鍛冶屋は腕を組み
「博打でスッたか。それとも憎い奴でもいるのか」
当てずっぽうだった。だが勘は意外に鋭く大男は口を滑らせた。
「ここに地主がいる……。奴は小作だった親父が死んだ後も俺とお袋に、以前と同じ高い小作料を払えといいやがった……。俺とお袋を散々にこき使っていい思いしやがって、そのせいでお袋は死んじまった……」
「いつの事だ」
「おれがガキの頃さ……。それからずっと俺は根なし草だ」
「小作から搾取する地主なんてそれこそ腐るほどいるぜ」
「それでも俺は奴が憎い」
大男の声に怒りが籠っていた。
「そうかい。おいデカ物その旦那に儲け話を持っていこうぜ」