中学生のころ先生が事故で亡くなった。
まだ若い先生だった。
いまのわたしと同じくらいの歳だったと思う。
学年の生徒が集められてその話を聞かされた。
みんな泣いてた。
やんちゃしてる不良も目を赤くして泣いていた。
わたしは泣いていなかった。
精神が未熟で人が死ぬというのをよく分かっていなかったこともある。
それに当時、わたしは自分の終わりの日を決めていて、先生が亡くなったと知らされたのは丁度その日がすぐそこにきていたタイミングだった。
だから先生のことを聞いたとき
「わたしがこれからいく場所に先生もいったんだ」
と思った。
悲しくはなかった。
いま思い返しても、人が死ぬという事実を理解しきれていなかったように感じる。
でも正直いまも死というものがよくわかっていない。