これは偽りの恋 | 徒然なまま

徒然なまま

腐女子なやつが気ままに愚痴やら萌えやら死にたがりな内容をツラツラ書いているブログです。好き BL漫画(ねこ田米蔵さん)や(夏目イサクさん)若手俳優。舞台観劇が趣味 基本ミーハーで絡みは苦手です。以上


親が持ってくるお見合い話にうんざりしていた。
親が望む結婚を自分が望めなくて会うことすら苦痛だった。

恋人がいると言えば合わせろとなり親のチェックが始まる。それもまためんどくさいしどこで調達するかも悩みものだ。

ある時あまりにうんざりして
俺は思わず親に男が好きなんだと言ってしまった。
別にそんな気を起こしたことは過去1度もなかったが、これでお見合いを勧めることはないだろうと思ってしまったんだ。

親は目をまん丸にして言葉を失うとはこういう事かと思うような純粋な反応だった。

振り絞られて出たそうなのならお相手連れて来なさい。に今度は俺が言葉を失った。
当然ながらそんな相手はいなかったからだ。

咄嗟にわかったと言ってしまった手前今更嘘だとも言えず俺はどうするべきか悩んでいる。

翌日

仕事場に着いてからも昨日のことで俺は仕事どころではなかった。相手をどうするべきだろうか、そればかりが頭を支配していた。
先輩、先輩!先輩って!!!
その声にビックリして顔を上げると
怒った顔した後輩が目の前に立っていた。
あの何度も呼んでるんですけど、これ今日までなので目を通しておいてくださいね!!!。
と少々雑に投げながら渡された書類を受け取りながら俺はコイツなら話せば!なんて考えていた。

おい!
今日ちょっと話したいことあるんだけど
時間作れる?
後輩にそう声をかけたのはその日の夕方
少しなら大丈夫ですけど何ですか?
説教とか嫌ですよなんて不機嫌そうに答える
奢るからさというと
手のひら返しかよというほど
肉!肉喰いたいんすよオレ!
と嬉しそうな顔をした。

仕事が終わるのを待って
約束した店に行く。

本当に話ってなんすか?
仕事ですか?
俺への質問が止まらない
着いたらすぐ話すから少し落ち着けよ
後輩は肉が食べるのがよほど嬉しいのか
顔がずっとにやけているのがわかった。

店に着く

で、なんすか??
お前は、そればっかりだな
いや突然普段特段話さない相手に誘われたら気になるでしょう普通。

確かにそうだ
気になるに決まっている

あぁ
あのな
俺と付き合ってる振りしてほしいんだ。

えっ!?
えっ?
オレと先輩がってことですか?
オレ男ですよ?

あぁ知ってる
男だからお願いしてるんだよ。

えっと
先輩はそういう??

いや、
実は
親がお見合い話ばっかり持ってきててだな
嫌なんだよするの

先輩の歳だし親も子に幸せになってほしいってことじゃないですか、なのになんで、結婚すれば良いじゃないっすか

だから、わかってるんだよそれくらいは俺だってけどな、したくないものはしたくない!それを説明しても納得しないからこういう手に出るしかないんだよ。

それがどうして男のオレとの交際になるんですか?

男が好きなら親も諦めるしかないだろ!
結婚もお見合いも

そうかもしれませんけど
付き合うフリってなんすか。
それはどういうとこまでするンスか?

そりゃ付き合ってるんだから付き合う奴らがするようなことは一通りじゃないか?

じゃないか?って決まってないんすか?
親にあってオレ紹介して
キス求められたらするんすか???

まぁ
時と場合によってはお願いするしかないかな

いや、
なんでそんな抵抗なく言えるんすか?
先輩酔ってるンスか?

今日はお前に話すからノンアルしか飲んでねーよ。
呑んでてもこれくらいで酔わないしな。
で、フリしてくれるかどうかなんだけど、
一応報酬もつけるぞ、こんなこと頼むんだからな
臨時の収入できてラッキーだと思うぞーー。な!

金のために身を売るほど安くないんですけどね、
先輩の為に後輩として助けてあげなくもないですけど、条件つけて良いですか?

うん⁈、うん、良いけどなんだ
あんま無理なヤツだと厳しいぞ。

条件はその、その期間だけで良いんで先輩の家に住まわせてください。

!?!?
ハァーーー???
なんで一緒に住むんだよ、付き合うフリって
何も同棲まで求めてないからな

いやそのオレ今の所友達と住んでたんですけど、ダチに彼女出来て、最近彼女がその、泊まるんすよね…で、友達に出てもらえないかって相談されてたとこで、、、金ないし一人暮らしって実はしたことないから不安だったンスよね…。
けどこの条件のんでくれるならオレも先輩の提案乗ります!

悪くないと思いますよ!ただ住まわせるだけで先輩はしたくないお見合いしなくて済むんすから!!!でしょ?

あぁうんそうだな?、 、
なら商談成立ってことで良い??のか。

はい!!
荷物は明日まとめて送りますんで!宜しくです。

翌日

おはよう

あっ
先輩おはようございます!
荷物明後日に届きますんで宜しくっす。

はいよーー。
早速だけど日曜に親に会ってもらうから明後日ウチで打ち合わせな

はーい
了解しました〜。

ーーーー
日曜

じゃ、打ち合わせ通りに

ハイ…先輩オレやっぱ自信ないっす。
好きってなりませんもん…

あのな、俺も同じだって
でもコレでやり切れば俺は晴れて自由の身なんだよ。わかるだろ?

分かってます
分かってますけど。

トオルくん!!
遠くから声がした
母親は年甲斐もなく手を大きく振りながら俺の名前を高々に走りながら呼んでいた。

恥ずかしいからやめろよ!
何が恥ずかしいよ、トオルくんはトオルくんでしょう。
で、
あなたが…

あっはい
お付き合いさせて頂いてる
橋崎ミノルと言います。

ミノルさんね
息子とは?

あっはい
仕事で知り合って良くしていただくうちに

おい!
お店入ってからで良いだろそんな話

そうね
入ってから聞くわ。
納得出来るまで…

店の中

それで?
会社で良くしてくれるのは息子だけだったの?
仕事してるのに恋愛なんてそうそうするものじゃないでしょう。それにあなたは元々男性が好きなの?

ちょっと待てよ、いっぺんに聞いてもコイツが困るだろ。少し落ち着けよ。

落ち着け!?
息子に男が好きで付き合ってる人もいるなんて言われて落ち着けるわけないでしょ。

あの、すみません
なぜって言われてもオレにも説明出来ないんです。だからすみません。

どちらからなの?
あなたが誘惑したの?

コイツは誘惑なんかしてない
俺が好きになって無理言って付き合ってもらったんだよ。

その、オレはその

お前はいい、もう何も話さなくていい。
希望通りに会わせたんだからもうコレで終わり、
金輪際俺にお見合い話も結婚急かすようなこともしないでくれ。

分かったわ
もう言わない
けど
トオルくんは
彼とは結婚しないでしょ
なら結婚くらいはお母さんの希望通りにして。

あのなぁ
言ったこと聞いてないのかよ
俺はしないの!

嫌よ!
男性と付き合うのは好きにすればいい
けど
結婚はしてもらいます!
絶対。


あーもう
話にならない。
行くぞ

えっ!?
でも…

いいんだよもう


俺は泣いている親を無視して
後輩を連れて店を出ていた。


悪いけど親が諦めるまで少しの間もう少しの間だけフリ続けてもらえるか?

あの、オレはいいんすけど
いいんすか?泣いてましたよ

ーーいいんだよ。
俺は俺の人生を歩んでいきたいんだ。親の人生じゃなくて。

いいならいいんすけど。
なんか腹減りましたね…
家帰ります?

そう言えばろくに食べてないな、
食べて帰るか。

はい。



そして
この日から
俺と後輩は
同居を始めた。

後輩は思っていたよりマメな上、料理がべらぼうに美味い。


お前本当に嫁になれるわ
そんな冗談を言ってしまうほど美味くご飯のために外で食べることをやめたほどで
節約にもなりますし
お弁当も作りましょうか?
なんていう提案にも
よっしゃーとなるほどだった。

そして細かいが為
俺のやり方がイライラするのか
小言も多い。

そんな小言にも簡単に慣れ

気付けば1ヶ月をゆうに超え
同居して半年も経っていた。

付き合ってる設定ではあったが
実際は親の前で以外はいつも通りでしかない

だから俺は
あいつを想っているとは思わなかったんだ。


仕事帰り
いつものように
あいつにメールを送って
今日の夕飯を聞いて
楽しみに帰宅しようと歩いていたら
ふと視線の先にあいつが目に入った。

誰かと一緒に話している様子を見て
友人かと思ったが
あいつはそいつと抱き合っていた。

ただのハグだったのかもしれない
それでも俺の心はなぜかざわついて

そいつと見つめ合って微笑んでいる姿に
俺は何故だか腹が立って仕方がなかった。


ただいま〜
あっ先輩帰ってたんすね。
今日は先輩が好きな肉じゃがにしときましたよー

怒りから俺はコイツを見れず
口を開くとひどいことを言いそうだった。

???
先輩?
どうかしました?
職場でなにかありました?
もしかして佐々木さんにまた仕事押し付けられたんすか?

なんもない
いいから飯…

はい、
どうぞ


数時間後


あの、
やっぱりなんかありました?
不機嫌っすよね?今日。

うるせぇな
しつこいんだよお前

えっ、いやなんでそんな言い方なんすか
不機嫌だからって当たんないでくださいよ。

寝る

そぉーすか
おやすみなさい。


翌日になっても俺の頭の中にはあの光景が広がっていてイライラが収まらない。

自分でもどうするべきなのかわからないまま
当たり散らすことしかできなかった。

最低だ
分かっているのに

先輩、
ちゃんと話しましょ
なにに怒ってるんすか?
言わないとオレもムカつきます。
こんな態度続けられたくないっすよ。

あぁ
そうだな。

お前、肉じゃが作った日
誰に会ってた?

えっ?
あの日は
あーー、
高校の時のダチっすね
こっちにたまたま来たから顔見たいって、

お前はダチにハグなんかすんのな
随分嬉しそうに

先輩
もしかして
ですけど

ヤキモチ妬いてます?


!?
いや!
やいてねーよ
っか
妬くわけないだろ。
なんで俺がそんなことでヤキモチ妬いたりすんだよ。

いや〜
多分?
ヤキモチだろうなぁと

オレがハグしたのが気に入らないんすね?
ならそうなんじゃないっすか?

お前が誰とハグしようが別に平気だし
勘違いすんなし

いや〜オレ、今確信に変わりましたけど
先輩ってオレの事好きなんすね笑

お前、俺のこと馬鹿にしてるだろ、
追い出すぞ、マジで。


ふっ笑
馬鹿にしてませんよ
先輩が可愛いなぁ〜と思っただけですよ笑笑

やっぱり馬鹿にしてんな
ずっと笑いやがって。

でも追い出したりしませんもんね先輩わ。

あぁ
ムカつくわ
お前。

そうっすか
オレも時たま先輩にムカついてますけどね笑

そうかよ笑

あいつに言えたからかあいつの笑顔のせいか
持っていたイライラが消えていた。

先輩がそんなにハグしてもらいたかったんならしますよ笑笑
そう言いながら俺に抱きついてきた。
俺は避けることも拒絶することもなく抱きついてきた後輩を抱きしめていた。

先輩
あんまりきつくすると苦しいですよ。
暑いですし

腕の中で照れ臭そうに笑いながら言う姿に
俺はキスをしていた。

どちらも
拒絶も避けることもしないで
そのどれもを受け入れていた。

先輩
男が好きだったんすか?

お前こそ
男が好きだったのかよ

お互い
答えはノーだ

オレは
先輩が好きなんだと思います。

俺も
お前が好きなんだと思う。

なら
両想いでオレらラッキーですね笑笑

たしかにラッキーだな

そう言って
俺はまた
キスをして抱きしめた。


俺はお見合いがしたくないだけだった
だから
選んだだけの相手だった

それが運命だったのか
運命などあるのか
わからないけれど
俺はこの偽りの恋を
初恋をした時のように
大事にしたい。

いつまでお互いを想い合うのかわからないけれど
この一瞬を大切に生きたい。

腕の中の温もりに偽りはないから














なぁ
お前は
俺のこといつから好きだったんだ?

うーん??
そうっすね
先輩が提案出す前くらいからっすね


…??
ハァーーー?
お前は俺のこと好きだったってこと??
えっ
なんで?
いつ?なぜに?
元々男が好きだったってことじゃ??

笑笑
いや焦りすぎ、
本当に先輩だから好きなんす

最初は憧れだと思ってたんすよ
けど
先輩
酔って俺にキスしたことあったンス
横木さんの送別会の後
覚えてないって知ってますけど、

!!ごめん、
悪い
なんか色々すまん

いや、もういいんですけどその時のことは
その時に自覚しちゃったんですよね
憧れじゃないって。
だから
提案された時本当はめちゃくちゃ嬉しかったンス
けどバレたら拒絶されるんじゃないかって不安で
普通でいようって

この気持ちはずっと隠してておこうって
そばにいれるだけでオレは幸せなんで、
けど先輩が好きだってオレの事
ビックリしましたけど
今、めっちゃ幸せです。

ハニカム姿をこんなに愛おしいと思う日が来ると思っていなかった

ただ抱きしめるだけで俺の何かが満たされていく
こんなにも心地いい場所があったなんて

今までだって付き合ってきた。けれどそのどれとも言えぬ感覚で、今まで感じたことのない満足感を今感じている。

俺はお前と出会えて良かったよ
お前が俺を好きで良かったよ。

偽りの恋に付き合ってくれてありがとう。