それを疑ったことなどなかった。
あの日までは
突然
きったねー
と大きい声で叫ばれた
次の瞬間
消しゴムのカスが頭上から落ちてきて頭の上に乗せられた。
この日私は菌になった。
可愛いと育てられてきた
良い子ねと育てられてきた
沢山食べなさいと育てられてきた
残さず食べなさいと育てられてきた
いつからか
私はデブと言われる体型になっていた
そして
菌だった私の次の呼び名は
デブ、ブス、ブタ
私の名前はあの日消えた。
ある時
机の上に落書きがあった
周りはクスクス笑っている
誰がしたかなんてわからない
なんのためにしたかもわからない
謎の絵と様々な罵倒言葉や意味不明な文字列
どれも消せないペンで描かれていた
あの時から私の触れたものも汚いものへと変わった
わざと離される机
わざと避けられる身体
わざと捨てられるプリント
これが悪意でないのなら
私はどんな感情を向けられているのだろうか
先生に
私との関係を
友人と口々にする
その友人たちは
先生が消えると
私を菌と呼び
デブと呼び
ブスと呼び
ブタと呼び
キモいと
ウザいと
消えろと
いう
生きてんなよと
吐き捨てられる言葉に
涙も流せない
泣けばキモいとさらに罵られる
これが悪意でないのなら
私はナニを受けているのだろう
可愛いと育てられてきた
良い子ねと育てられてきた
大切な子と育てられてきた
しかし
あの日から
私は汚いモノの醜い塊に生まれ変わった
あの日まで育ててもらった私は
ゴミとして扱われて
汚いモノなんだと
突きつけられた
生きる価値のない人間だから早く死ねと
急かされ
背けばゴミとして扱われて
人であった私は跡形もなくなった
アレが悪意でないというのなら
私はなにに心を奪われたのだろう