"願はくは花のもとにて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月のころ " (山家集 )(願わくば、釈尊入滅の2月15日(旧暦、今の3月)の頃、満月に照らされた満開の美しい桜の花の生を終えたい) 桜の季節。西行法師の辞世の句を学び、一考するのによい時期である。話は飛んで、こんな句もある。 "眼の毒の花が吹くとて寝釈迦哉(ねじゃかかな)(小林一茶)" 横になっておられる、善光寺の釈迦涅槃像2体(鎌倉時代・世尊院と大勧進)のお釈迦様は、美しい桜は悟りの妨げになるから見ないように眼をつむっている、と一茶が詠んだとか。花祭り(4月8日)はお釈迦様のためにお花を捧げるというのに、そういう見方もあるということか。
