アショーカ王(BC273~232)はインド統一を成し遂げた、マウリア朝第3代の王である。釈迦牟尼世尊入滅後120年後頃に活躍、インド統一のための戦争の悲惨さを目の当たりにし、仏教に深く帰依した。また、仏教だけでなく、あらゆる宗教を保護したという。エジプト、シリア、マケドニアなどの外国にも仏教宣布の使いを派遣したという。後世の日本国聖武天皇の大仏建立、全国への国分寺建立による仏教流布を彷彿させる。釈尊初法輪転の地、サールナート(鹿野苑・ろくやおん)に建立された石柱の頂には4頭の背中合わせの獅子像が彫刻されている。釈尊の説法が四方に行き渡ることの象徴であり、その下に法輪(説法の象徴)も描かれている。まさに、仏教者の気概を象徴する獅子像の姿である。(参考・ナツメ社・図解雑学仏教)