大阪を訪れた折り、摂津国一宮・住吉大社さんをお参りした。神道家比企理恵氏の著書によると王朝絵巻あでやかな、源氏物語の澪標(みおつくし)の巻の舞台にもなった場所とのこと、淀殿奉納の太鼓橋を渡り境内へ。平安時代の昔、海のすぐそばにあったといわれ、比企氏はどことなく潮の香りを感じるという。住吉大神(三神)さまと神功(じんぐう)皇后さまを祀る。また、神道家深見東州氏の著書によると、住吉は"すすめ"に通じ、推進力を授かるという。応神天皇の母、神功皇后の朝鮮出兵(三韓討征)時(AD200~300頃)、住吉大神の和魂(にぎみたま)は皇后の身辺をお守りし、荒魂 (あらみたま)は突風となって神風第一号 を吹かせたと、深見氏はいう。正史上では、369年倭国が百済と結んで新羅と戦い、任那を領有、任那日本府が成立した頃と重なる。神社境内の中程に神様の降臨の地があり、"五大力"を授かる小石三個が拾えるようになっている。石に五と大と力の字が書いてある石を一個づつ拾い、計三個を拾うとそのままお守りになる。社務所でお守り袋を300円でわけてくださるのでいただいて、自分だけのお守りが作れた。これこそ、正に"推進力"のお守りであろう。なお、武光誠先生によると、神功皇后の三韓征伐の話はあくまで、伝説であり、神功皇后は7世紀の女帝推古天皇がモデルになったともいわれているとの事である。伝説の背後にある神話の世界を読みとりたいものである。
