配慮願います
状況に応じて…
Rina*
風の強い放課後の事だった 校庭では春だというのに冷たい風が吹き荒れている
閉ざされた窓のこちら側の陽当たりのよい席をりなは陣取り いつメンと向かい合って いつものいつ終わるともない話を繰り返していた
しかし そんな視界の狭くなった喧騒の最中 少し暗くなりかけたいつメンのやや後ろに見慣れないひとりのかげが 混じっていることにきづく
ひだりから かな … めぃ… … あかり …
めぃ とあかりの 間にいるこの … おとこ?
わたしのグループにおとこのコなんて …
しかも たった四人の中に…ひとりふえてれば…
しかし 不思議なことに その存在に全く違和感を感じないのだった
『あなた …誰だっけ?』
あかり『誰って りな セイチャンじゃん…
』 かな『あったかいから ぼけてるんちゃう?』
めぃ『あははは』
両手をばたつかせて走り回りはじめた
セイジ『なんだよ 急に 知らない人をみるみたいな目で … ビックリさすなぁ』
りな『…どっきり企画じゃないんだ?』
あかり『なんだ そりゃ…(笑)』
めぃ『あはははは』
キョトンとするわたしをしりめに四人で話し始めてしまった
私はひとりそのおとこのコとの記憶をたどりはじめた
去年の夏 …
私はゆかた姿
庭先にしゃがみこんでる
目の前には
そのおとこのコの顔があった
背景は暗いから夜…
音はなく
わたしはそのコの顔をみつめてる
こんなにおとこのコのことをちかくで しかも少しもそらさずに じっと見るなんて…
心臓の高鳴りを感じた
うつむくおとこのコの顔に点滅する小さな光がみえて ふいに顔をあげる
わたしは驚いたけれど 目が吸い寄せられるようにはなせない
それどころか まばたきすらできないのだ
わたしののばした手の指先に 指先がふれていた
ふたりのつまんでいた何かが おちて おとこのコがそれをてばなした手で わたしの手をぎゅっと 握りしめた
手が急激に汗ばんでいくのを感じた
おとこのコの顔が かたむき ちかづき わたしの視界から目がきえて くちびるが わたしのくちびるにふれた