【海洋深層水、なぜしょっぱくないの?】
まず、海洋深層水とはですが、およそ太陽の光が届かない深さ、およそ深さ200メートル以上の海水です。
それに対して太陽の光が届く表面近くの海水を海洋表層水と言います。
海洋深層水は、水温が1年を通して低温でほぼ一定で、太陽光が届かないため、海藻や植物プランクトンの光合成が行なわれず、植物の肥料分になる窒素やリン、ケイ酸などの無機塩素がそのまま残っています。
環境汚染の影響をうけることも少ないので、大腸菌などの細菌や化学物質に汚染されておらず、綺麗な海水というものです。
わがくにでは、高知、富山、静岡、沖縄、神奈川の海沿いで、県や市町村、民間の会社が汲み上げています。
岩手県宮古市沖、沖縄県糸満市沖では、船を使って汲み上げられています。
汲み上げられた海洋深層水の利用としては、車えび、サクラマス、あわびの養殖などをおこなっています。
ここ数年、海洋深層水飲料水もコンビニ、自販機でも売られるようになりましたが、海洋深層水も海水ですから、そのままではガブガブ飲むことはできません。
そこで、どうやって飲める水にしているかというと、一般的には逆浸透膜法を使って行っています。
逆浸透膜法
この方法で脱塩すると、「純水に近い淡水」と「濃縮された深層水」に分離されます。
つまり、脱塩と同時にミネラル分もほとんど除去されてしまいます。
砂漠の国ドバイでジャブジャブ水を使えるのは、ペルシャ湾の海水を汲み上げ逆浸透膜法で飲料水にしているのです。
町では海洋深層水の脱塩水を分水していますが、逆浸透膜法で脱塩しているため、「純水に近い淡水」となっています。
海洋深層水とうたった飲料水は、海洋深層水を原料にしているということだけで、ただの水ににわずかの海洋深層水を足して売っているものがほとんどです。
ですから、ミネラルの効果はあまり期待できません。普通の食事をしている人は、別に飲む意味合いはないのではと思もいます。