「今年、多くを成し遂げた結果、自信を持って来年を迎えられる」(フランスのオランド大統領)。今月中旬の欧州連合(EU)首脳会議では、多くの首脳から安堵(あんど)の声が漏れた。
◆信頼回復への道
2009年秋に始まった債務危機は、今年初め、イタリアの国債利回りが危険水準を超えるなど危機的状況に陥った。春にはギリシャの無秩序な債務不履行(デフォルト)を寸前で回避したが、5月の総選挙で同国政治が混迷。「ユーロ離脱」が現実味を増した。スペインでも金融・財政不安が高まり、銀行支援要請を余儀なくされた。
ユーロ圏は待ったなしの状況下で対処に追われた。常設の金融安全網を前倒しで発足させ、危機国の銀行への直接資本注入にも合意。欧州中央銀行(ECB)による国債買い支え策が決まると、市場の動揺は静まり、凍結中のギリシャの支援継続も決まった。
「どこかの国がユーロ圏を離脱する可能性はなくなった」。シンクタンク、欧州政策センターのヤニス・エマヌイリディス上席研究員は仏メディアに語る。
ただ、これらの対策は対症療法の意味合いが強く、今後は危機再発防止の取り組みが欠かせない。
◆今後の波乱要因
まずは南欧の着実な財政健全化の実施だ。経済回復が遅れ、失業率が過去最悪の中、国民の不満に配慮しつつ進めるのは容易でないが、踏み外せば、再び市場の不安を誘いかねない。イタリアでは2月24、25日の総選挙実施が決定。モンティ首相の改革路線が新政権に確実に受け継がれるか、国際社会は懸念している。
また、ユーロの「欠陥」克服を目指す統合深化では今月、ユーロ圏の銀行監督一元化に合意したが、財政統合は先送りとなった。来秋に総選挙を控えるドイツが消極姿勢をとったためだ。
従来、独仏が主導した危機対応はオランド大統領誕生で政治力学が変わり、渋るドイツの背中を仏伊などの南欧が押す形になった。だが、新たな取り組みは、ドイツの選挙後まで進められないとの見方も強い。
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