イワナを釣る。
今季では自然渓流では最大(自分の中で)のイワナと出会った。釣った瞬間、口元からは何やら白いドロドロしたものが出ていたので、きっと胃の中にあったものが外に出ていたようで、ストマックポンプ(スポイトのようなものを口から入れて胃の内容物を吸い取る)でお腹の中をみても、溶けた毛虫(インチワ-ム)のようなものが出てきた。やはりフライフィッシングはおもしろい
釣りと言えば数や大きさの自慢大会みたいになってしまうが、私の場合はどうやって思考して、その魚と出会えたか、が一番たのしい。前回、ロッドが橋けたに当たって折れてしまい、今回は岩の上に置いていたところに座ってしまい折れた。ロッドが折れることなどめったにないのに連続で二本も折ってしまい、こころまで折れていたので、この一本のイワナはそれらのことがあって、出会えた、と想うと感慨深い
二本の折れたロッドはFLYを始めたころに買った1本。もう1本は発売時期は20年前だが、3年ほど前に中古の釣り具やさんで手に入れた古いロッドだった。二本とも古いけど、それぞれ好きで大事にしていた。
魚にしてみたら、古かろうが、新しかろうが、知ったこっちゃなくて、こちらの気持ち次第なんだな、と釣りをしながら思っている。フライは「道具の釣り」と言われるくらいに使用するものが多く、手間がかかる。しかし、その手間もまた楽しみであって、効率が悪いかも知れないがその時間さえも、魚と出会うためのひとつのプロセスだと思うとやはりたのしい
「あれがあったから、今がある」という考えと「今がよけりゃそれでいい」という考えかた。どちらでもいいし、どっちもおもしろいと思う。要点は心の持ちよう、つまり「ココロモチ」がどのように”うつろう”か、であると思う。
半分まで水が入ったコップを想像してみる。
”もうこんなに減ってしまったか”
と思うか
”まだこんなに残っているぞ”
と思うか、である