文字書きの詩。 -2ページ目

文字書きの詩。

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失った背中を追いかけ続けることに、何の意味もないことは知っていた。
今朝見た夢を反芻して、幸せに浸れたら良かったのに。幸せだったから、覚めたあとの絶望は大きい。
旅行に行った時のことをふと思い出した。古い都の街で、私たちは並んで歩いているだけで、それなのにずっと笑っていた。楽しかった。楽しかったんだと思う。
旅行に行こう、と誘ってくれたのは彼女だった。たくさんの神社やお寺に行きたいと、目を輝かせながら提案してきたその計画は、とても魅力的で私の胸を躍らせた。
大好きな人と、楽しいことをするのは、どうしてこんなに魅力的なんだろう。まだ先の計画なのに私の胸は高鳴った。

「君と行きたいところがたくさんあるんだよ。付き合ってくれる」

彼女からの提案で、私が断ったことなんて、ない。
彼女のことが大好きだったから。

「もちろん。あなたの行きたいところなら行きたい」

好きなだけで、好きと言う感情だけでこんなにも楽しくなるなんて、私は知らなかった。

「連れ回しちゃってよ」

「覚悟しといてね」

そんな風に笑い合えることがどんなに幸せか、それをどうしてあの時の私は気づかなかったんだろう。
まあ、気づいていたらこんな風に絶望を味わうことはなかったんだけど。
あの日のことを忘れたくなくて、思い出すのはツラいのに忘れてしまえるほど軽い思いじゃなくて。
だから必死に反芻した。そしたら夢に彼女が出てきた。明るい顔で、私を好きと言って。
私のことをお姫様扱いしてくれる、あの日の彼女のままだった。
ねぇ、あの日のあなたはどこにいるの。あの日の私はずっと立ち止まったままだよ。景色も、匂いも、声も、感覚も、全部覚えてるのに、あなたの優しい顔だけ思い出せないんだよ。
奪わないで、私の幸せだった思い出を。あの日のまま、私を止まらせて。もしかしたらあの日の彼女が迎えに来てくれるかもしれないから。お願い、お願い、お願い。迎えに来て。好きなの。
激しい思いはいつか消えてくれるかな。消えてくれるなら、この絶望も無駄じゃないかな。
大好きなあなたへ。幸せになっていてください。
私は幸せに、なりたい。