「人間と魔族、どちらが正しいのかわからなくなりました……」

『ドラゴンクエストⅣ』より、クリフトの発言

















『LEFT ALIVE』が発売されて1週間以上たちました。

『フロントミッション5』と『フロントミッション3』の先の未来の話とはいえ、タイトルが『LIVE A LIVE』に似ていると言われることもあり、何故か『LIVE A LIVE』のストレイボウの事を思い出してしまい、それと連鎖する形で「声優絡み」で、LIVE A LIVE』のストレイボウと『ファイナルファンタジーⅣ』のセシルの立ち位置の違いが『フロントミッション1ST』のドリスコルと『ドラゴンクエストⅣ』のピサロと少し似ていると感じましたので、拙い文章とはいえ、『ドラゴンクエスト』絡みの小言を綴ることにしました(セシルは無論好きですし、ピサロとストレイボウは嫌いではないが好きでもないとはいえ、ドリスコルは「惻隠の心」と「」を微塵も持っていないため論外)。





ピサロが登場する『ドラゴンクエストⅣ』初登場のモンスターである、長い舌と暗い体色の「スモールグール」、彼らは『ドラゴンクエスト』シリーズでは分裂したり仲間を呼び、追加効果を持った攻撃能力を持っていて、良くも悪くも印象に残りやすく、それでいて愛嬌のある姿が彼らと初めて出会った25年以上経った今でも印象に残っています。





エビルプリースト戦でのスモールグール3匹は、ロザリーに危害を加えた人間3人の成れの果てではないか?という考察もありますが、主人公たちがロザリーヒルに訪れた時に宿屋にいる時点から彼らはルビーの涙で大金持ちになることを目論んでおり、大金持ちになりたいという欲自体は特別変わったものではないだけに、誰もが彼らのようになりえてしまうのかもしれないとはいえ、その点を踏まえても、単に目先の欲に呑まれ、宝石が欲しいがために寄ってたかって弱者を何の躊躇いもなく痛めつける時点で微塵も同情できるわけがなく、陰惨極まりない(このブログでは、仁義礼智信を重んじる、和やかな輝き優しさを保って金を稼ぐことは難しいシーキンセツ問題について少し考えてみる「道場」という言葉の意味とは?である程度、現実世界に視点を広げたこの件の類似例を挙げています)。





現実世界では、人間よりは「スモールグール」の方がある意味マシなのかもしれないと想ってしまうことがある事件・事態が多いだけに、「過去にロザリーはルビー目当てに人間たちに狙われた所をピサロに助けられた」という説明は作中にあるので、ピサロが人間達をあまり快く思っていなかったのは間違いないようですが、人間を滅ぼすという目的を抱くに至った根本的な理由が明かされていないため、完全な被害者とは言い切れない一方、ロザリーの一件以前にも、人間の負の一面によって引き起こされたなんらかの出来事があると思われ、ピサロが真正の悪だと言い切ることもまたできない点には留意すべきです(同じスクウェア・エニックスの『フロントミッション3』や『ライブアライブ』、そして手塚治虫氏の『人間ども集まれ!』と共通する重い要素)。







だが、そんな憎悪の連鎖を断ち切ることができる可能性もリメイク版には存在しています。この点も奇しくも『フロントミッション3』や『ライブアライブ』、手塚治虫氏の『人間ども集まれ!』と共通しており、深く重い。





仁:思いやり
義:人としての道を踏み外さない
礼:礼儀作法を守ること
智:正しい判断・知恵
信:信頼・誠実




惻隠(そくいん)の情
「弱者、敗者、虐げられた者への思いやりと共感」という意味で、
「人を思いやる心」